20代の男性は、社会人になって、給料を自由に使えるようになるとともに、出費が増えますよね。
そうしているうちに、月給では足りなくなり、借金をしたり、クレジットカードで物を購入したりしていませんか。
さらに、先月の借金やクレジットカードの請求を支払うため、また借金をしていませんか。
このような状態になっている場合、既に危険な状態となっているといえ、早急に借金への対策をとる必要があります。
この記事では、20代男性の借金の特徴、そのような特徴からみる借金への対策について分かりやすく説明していきます。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
20代男性の借金の特徴は?
単身者が多い20代男性の借金の理由は、以下のとおり、自分の娯楽、趣味のための借金が多い傾向にあるといえるでしょう。
賭博(キャンブル)
20代男性の借金の理由として多いものとして、賭博、いわゆるギャンブルが挙げられます。
具体的には、パチンコ、競馬、競輪、競艇などがあります。
浪費
20代男性は、遊びたい盛りですから、スナックやキャバクラでお金を使うこともあるでしょう。
また、女性とのデート代やプレゼント代、友人の結婚式のご祝儀などの交際費を支出する機会も増えます。
さらに、衣服や自動車、バイクといったものにお金をかける人もいるでしょう。
これらの出費は、年収からみて適切な範囲内に収まっていれば問題ありません。
しかしながら、身の丈に合っていない出費をしている場合は「浪費」にあたります。
奨学金の返済
最近では、奨学生は2.6人に一人と言われており、社会人になった時点で既に奨学金、すなわち借金を抱えている人が多く見られます。
参考記事⇒「貸与型」奨学金について
20代男性の借金の特徴からみる対策は?
では、このような20代男性の借金の特徴から、どのような対策を講じればよいでしょうか?
一般的に、借入総額が年収の3分の1を超えている場合、債務整理を検討すべきと言われています。
先ほど説明したとおり、先月、借り入れた分やクレジットカードで支払った分を支払うために借金をし、翌月以降もそれを繰り返しているようであれば、既に危険な状態に陥っているといえいます。
そのような場合、この債務整理を検討する目安にも当てはまっていることが多いと考えられます。
とはいえ、債務整理と一口にいっても、主に任意整理、個人再生、破産という方法が考えられ、どれを選択すべきかはその人の状況によって異なります。
具体的に見ていきましょう。
任意整理とは?
任意整理とは、裁判所を介することなく、直接債権者と交渉して合意を締結する手続です。
具体的には、既に発生している利息や遅延損害金を免除してもらった上で、毎月の返済額も減額してもらい、残債務を3年から5年の分割払いで返済する内容の合意をします。
また、本来、返済が完了するまでに発生する利息の支払いも免除してもらいます。
任意整理のメリット
任意整理のメリットは、主に①裁判所を介する個人再生や破産と比べて手続きが簡単、②財産を残せる、③家族や勤務先に知られることなく行えるということにあります。
任意整理のデメリット
主に①弁護士等の専門家に依頼する必要があること、②債権者との合意が必要なことにあります。
20代男性の場合
20代男性の場合、残したい財産がある人はほとんどいないでしょう。
したがって、①手続きが簡単であること、③家族や勤務先に知られることなく行えるということが大きなメリットとなると考えられます。
特に、個人再生や破産といった裁判所を介する手続きを選択すると、退職金額の分かる資料の提出が必須となるため、勤務先に発行を依頼しなければなりません。
そうすると、個人再生や破産をすることが勤務先に知られてしまう可能性が高いです。
また、20代男性の場合、現時点での年収が低くても、年次が上がっていくにつれて年収も増える傾向にあります。
そのため、現時点での返済額を減らせれば、年収が増える中で借金全額を返済できる可能性が高いです。
したがって、借金の金額が大きくなる前であれば、任意整理を選択するのが良いでしょう。
もっとも、一般的に、毎月の返済額の合計が手取り収入から住居費を差し引いた額の3分の1を超えるようであれば任意整理は難しいとされています。
したがって、借金の総額が膨らみ、毎月の返済額がこの目安を上回るようであれば、以下で説明する個人再生ないし破産を選択しなければならないでしょう。
個人再生とは?
個人再生は、裁判所に申立てをして、すべての債務のうち一部を免除してもらい、残債務を3年(特別な事情がある場合、5年間まで返済期間を延ばすことができます)かけて分割返済する手続きです。
個人再生のメリット
個人再生の大きなメリットは、住宅を処分しなくて済むことにあると言われています。
また、破産と異なり、職業制限や資格制限を受けることはありません。
個人再生のデメリット
これに対し、個人再生のデメリットは、破産と比べて経済的な負担が大きいことにあるでしょう。
また、手続きが複雑で、弁護士等の法律の専門家に依頼しなければならない上、その費用が破産と比べて高額であることにあります。
20代男性の場合
20代男性の場合、住宅を所有している人はほとんどいないでしょうから、個人再生の大きなメリットを享受することができません。
そのため、職業制限や資格制限を受けると困る場合でなければ、破産をした方が良い場合がほとんどでしょう。
破産とは?
破産とは、裁判所に申立てをして、破産者の財産を処分してお金に換え、これを債権者への返済に充て、それでも残った債務をゼロにするという手続きです。
残った債務をゼロにするには、裁判所から「免責許可」というお墨付きをもらわなければなりません。
破産のメリット
破産のメリットは、裁判所から免責許可をもらえれば、債務がゼロになることです。
唯一のメリットといっても過言ではありません。
破産のデメリット
他方で、破産のデメリットは、ほとんどすべての財産を処分してお金に換えて債権者への返済に充てなければならないことでしょう。
また、破産をした場合、職業制限や資格制限を受けることになります。
20代男性の場合
もっとも、破産をするのが20代男性の場合、破産によるデメリットは少ないといえます。
なぜなら、処分しなければならない財産として考えられるのは、主に、預貯金、自宅不動産、自動車、株式、保険の解約返戻金、退職金等ですが、20代男性はいずれも保有していないことがほとんどだからです。
したがって、職業制限や資格制限を受けると困る場合でなければ、破産を検討して良いでしょう。
免責不許可事由について
ところで、破産をする場合、最終的に、裁判所から免責許可をもらわなければ意味がありません。
しかしながら、破産について定めている破産法は、裁判所が免責を許可しない場合について規定しています(破産法252条1項各号)。
これらの事情は、「免責不許可事由」と言われています。
そして、免責不許可事由の一つとして、ギャンブルや浪費が挙げられます。
とすると、先ほど説明したギャンブルや浪費といった事情がある20代男性は、免責許可を得られないのでは?という疑問が湧くでしょう。
しかしながら、必ずしも免責許可を得られないわけではありません。
裁判所は、免責不許可事由があっても、諸般の事情を考慮して免責許可を出すことができるのです。
そして、過去の事例を見ると、裁判所は、ギャンブルや浪費による借金が相当高額でなければ免責を許可しているようです。
債務整理をするとブラックリストに載ってしまうのでは?
今、債務整理をすることを躊躇している20代男性の多くは、債務整理をするといわゆる「ブラックリスト」に載り、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組めなくなることを懸念しているのではないでしょうか?
ブラックリストとは?
実は、「ブラックリスト」というリスト自体は存在しません。
もっとも、クレジットカードを作ったり、消費者金融や銀行から借金をしたりすると、その人の顧客情報が「信用情報機関」に登録されます。
そして、返済が滞ったり、破産したりした場合、これらが「事故情報」として記録されるのです。
このように事故情報が記録されている状況が「ブラックリストに載る」と呼ばれています。
個人再生や破産をした事実はもちろん、任意整理をした事実も事故情報として記録されます。
借金の申込みを受けた消費者金融や銀行は、返済能力を確認するため、信用情報機関に登録された顧客情報を確認します。
そして、事故情報が記録されていると、返済能力に問題があるとして、借金の申込みを拒絶するのです。
将来的に住宅ローンや自動車ローンを組めなくなるのか?
このように、確かに、債務整理をするといわゆる「ブラックリスト」に載ってしまいます。
しかしながら、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組めなくなるのは、債務整理をした場合に限られないとされています。
どういうことかといいますと、消費者金融や銀行の審査内容は公表されていませんが、過去に返済が滞った事実や複数の債権者から借金をしていた事実を考慮され、住宅ローンや自動車ローンの審査に落ちるケースもあるとされています。
つまり、返済を滞らせていたり、複数の債権者から借金をしたりしている今の時点で、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組もうとした際、審査に通らない可能性があるのです。
したがって、いわゆる「ブラックリスト」に載り、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組めなくなることを理由に債務整理をすることを躊躇するのは無駄ということになります。
むしろ、記録された事故情報は、信用情報機関、情報の内容によっても異なりますが、5~10年経過すると抹消されます。
つまり、早期に債務整理を行えば、将来的に住宅ローンや自動車ローンを組もうとした際には、事故情報が抹消されている可能性があるのです。
まとめ
以上、20代男性の借金の特徴、そのような特徴からみる借金への対策について、説明しました。
20代男性の借金の特徴からすると、借金の理由となった支出は、生活していくための必要経費ではないことがほとんどです。
したがって、債務整理をすることによって、これ以上借金ができない環境を強制的に作り出すことも有益です。
そのため、借金が膨らむ前に、早めに債務整理を検討することをお勧めします。
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