30代女性の借金と債務整理~買い物やリボ払いが原因?任意整理や個人再生・自己破産の方法

30代の女性は、既婚、未婚問わず、出費が増え、借金が膨らみがちです。

とはいえ、既婚の30代女性と未婚の30代女性では借金の理由、借金への対策も異なっています。

そこで、この記事では、既婚の30代女性、未婚の30代女性に分けて借金の理由を検討するとともに、借金への対策について分かりやすく説明します。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』

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それでは解説をしていきます。

既婚の30代女性について

借金の理由で多いのは?

既婚の30代女性が借金をする理由としては、住宅ローンの返済や教育費の増加に伴って不足した生活費の補填が一番多いのではないでしょうか。

また、夫婦共働きの場合と比較すると、女性が働いておらず収入がない場合や、パートで働いていても収入が低額な場合の方が、生活費が不足したことによる借金は多いように見られます。

収入がなくても借金はできるのか?

ここで一つの疑問が湧いてこないでしょうか?

それは収入がない、もしくは収入が低額でも借金ができるのか?ということです。

結論から言うと、収入がない、もしくは収入が低額でも借金は可能です。

もっとも、平成22年6月18日に完全施行された貸金業法の「総量規制」によって、借りることのできる先は限られており、金額も低額になっています。

ここで総量規制について具体的に見ていきましょう

総量規制とは?

総量規制とは、個人の借入総額が、原則として年収の3分の1までに制限される仕組みです。

貸金業者は、個人から借金の申込みを受けると、信用情報機関が保有する個人信用情報を使用し、その人の他の貸金業者からの借入残高を調査しなければならないとされています。

貸金業者に借金を申し込む際、収入をについて記載する欄がありませんでしたか?

あれは、総量規制に反しないかを確認するためのものです。

そうすると、年収がない場合、貸金業者としては、そもそも貸付けができないのです。

他方で、低額であっても、収入があれば、年収の3分の1を上限として貸付けを行う貸金業者もあります。

配偶者貸付とは?

もっとも、収入がない場合であっても例外があり、収入のある夫と夫婦であることを証明できれば、夫婦の年収を合算した金額の3分の1以下まで借入れることができます。

このような制度を配偶者貸付といいます。

ところが、配偶者貸付を利用するためには、収入のある夫と夫婦であることを証明する書類(住民票、戸籍妙本など)、夫の収入証明書(所得証明書、源泉徴収票、確定申告など)に加えて、夫の同意書が必要とされています。

既婚の30代女性が自ら借金をする際、何らかの理由で夫に内緒で借金をすることが多いのではないでしょうか?

夫に内緒でなければ、わざわざ収入のない妻名義で借金をする必要はなく、夫名義で借金をすれば足ります。

そうすると、契約者貸付という制度を利用して借金をすることはあまり現実的ではありません。

銀行のカードローンを組む

では、収入がなくてもどうして借金をすることができるのでしょうか。

その答えは、総量規制の対象とならないところから借金をするということにあります。

つまり、総量規制の対象となる「貸金業者」には、いわゆる消費者金融が該当します。

これに対し、銀行は「貸金業者」ではないので、銀行のカードローンは総量規制の対象となりません。

そのため、収入がなくても、銀行のカードローンを組むことは可能です。

もっとも、銀行は、収入のない人の返済能力が高いとはいえないことが分かっていますので、貸付けの上限額は低額に留めています。

クレジットカードで商品を購入する

また、クレジットカードを使用した借金(キャッシング)については、総量規制の対象となりますが、クレジットカードを使った商品の購入(ショッピング)は、貸金業法の規制の対象外です。

クレジットカードについては、結婚前に契約したものを持っている人が多いですよね。

そのため、不足した生活費を補填する代わりに、クレジットカードで商品を購入するようになります。

そして、翌月の返済が難しくなると、リボ払いにして、返済を遅らせます。

このリボ払いですが、クレジットカードの支払方法の一つで、利用金額や回数に関係なく、月々の返済額が一定になるものです。

月々の返済額が一定であることは、一見メリットに見えますが、リボ払いを利用すると手数料がかかり、返済期間が長ければ長くなるほど、支払う手数料が多くなるというデメリットがあります。

リボ払いの手数料は、年利15~18%とされるのが一般的で、消費者金融から借金をした場合の上限利率とほとんど変わりありません。

したがって、カードの利用残高が多ければ多いほど、毎月の返済額のほとんどが手数料の支払いに充てられていたということになり、利用残高は一向に減らず、返済金額が増えることになるのです。

闇金業者から借り入れる

収入がない既婚の30代女性の中には、銀行のカードローンを組み、クレジットカードで商品を購入しても返済に困るようになると、闇金業者から借金をする人もいます。

というのも、闇金業者からすれば、総量規制によって借入れができない人は格好のターゲットです。

そのため、あの手この手で借金をするように促してきて、追い詰められた人が借金をしてしまいます。

闇金業者から借金をしてしまうと、もはや、家族に知られることなく、借金への対策を講じることは不可能です。

そのため、本来であれば、そのような事態になる前に、借金への対策を講じなければなりません。

借金への対策

このように、既婚の30代女性に多いのは、銀行との間のカードローンによる借金、クレジットカードで商品を購入した利用残高であることが分かります。

このような場合、借金にどのような対策をとればよいでしょうか。

家族に知られたくない場合

借金への対策としては、主に、裁判所を介さない任意整理という手続きと、裁判所を介する個人再生、破産といった手続きが考えられます。

ところで、先ほど説明したとおり、既婚の30代女性が自ら借金をする際、何らかの理由で夫に内緒で借金をすることが多いと思われます。

裁判所を介する手続きを選択した場合、裁判所から生計を一緒にする夫の給与明細書等の提出を求められたりすることがあるため、夫に知られずに手続きをすることは極めて困難です。

そのため、借金をしている事実について、夫を含め家族に知られたくないという場合、裁判所を介さない任意整理という手続きを選択するのがよいでしょう。

任意整理とは、裁判所を介することなく、直接債権者と交渉して合意を締結する手続です。

債権者には、既に発生している利息や遅延損害金を免除してもらった上で、毎月の返済額も減額してもらい、残債務を3年から5年の分割払いで返済する内容の合意をします。

また、本来、返済が完了するまでに発生する利息の支払いも免除してもらいます。

任意整理は、借金の金額がそれほど大きくない場合に有効な手続きです。

収入がない、もしくは収入が低額な場合、銀行から借りられる金額も低額ですし、クレジットカードの利用上限額も低額になっていることが多くなっています。

そのため、借金の金額が大きくなる前であれば、任意整理を選択し、夫を含めて家族に知られることなく借金への対策をとることができます。

既に借金の金額が大きい場合

他方で、借金の金額が大きく、毎月の返済が難しいということであれば、個人再生や破産など、裁判所を介した手続きを選択しなければならないでしょう。

個人再生とは、裁判所に申立てをして、すべての債務のうち一部を免除してもらい、残債務を3年(特別な事情がある場合、5年間まで返済期間を延ばすことができます)かけて分割返済する手続きです。

破産とは、裁判所に申立てをして、破産者の財産を処分してお金に換え、これを債権者への返済に充て、それでも残った債務をゼロにするという手続きです。

個人再生は、「継続した収入を得る見込みがあること」という条件を満たさなければなりませんので、収入が一切ない場合は選択することはできません。

その場合、破産を選択するしかありません。

破産をすると、破産者の財産が処分され、資格制限や職業制限を受けるといったデメリットがあります。

もっとも、一般的には、収入がない、もしくは収入が低額な既婚の30代女性は、不動産、自動車、株式といった財産を夫名義にしていることが多いと思われます。

また、資格制限や職業制限を受けると困るといった事情を持っている人も多くないでしょう。

そのような場合、破産を選択した方が返済の点で有利になります。

なお、低額であっても、パートなどで継続した収入を得る見込みがあると判断されれば、個人再生を選択することは可能です。

夫婦ペアローンを組んでいる場合は注意が必要

ここまで、収入がない、もしくは収入が低額な既婚の30代女性を前提に説明をしてきましたが、収入のある既婚の30代女性の場合に注意しなければならないことがあります。

それは、夫婦それぞれでローンを組んで自宅を購入している場合です。

これは、ペアローンと呼ばれています。

先ほど説明したとおり、借金の金額が大きく、毎月の返済が難しいということであれば、個人再生や破産など、裁判所を介した手続きを選択しなければなりません。

もっとも、破産は、破産者の財産を処分してお金に換える手続きで、財産には自宅も含まれます。

そのため、自宅を処分したくないのであれば、個人再生を選ぶしかありません。

そして、個人再生を選んで自宅を処分しないようにするためには、原則として、一緒にローンを組んでいる夫についても個人再生をする必要があることに注意する必要があります。


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未婚の30代女性について

それでは、未婚の30代女性について見ていきましょう。

借金の理由で多いのは?

未婚の30代女性の借金の理由として多いのは、外食、ショッピング、旅行、習い事等、自己投資への出費が嵩んだことによるものではないでしょうか。

30代ともなると、男女ともに収入が上がり、自由になるお金も増えます。

また、既婚者と比べて時間も自由になるでしょう。

そのため、自己投資への出費が嵩み、それらが生活費を圧迫するようになり、借金やクレジットカードの利用によって賄っているうちに借入総額が増えているということがよく見られます。

そして、総量規制によって、個人の借入総額が年収の3分の1までに制限されるといっても、収入が多ければ借り入れられる金額も増えますから、未婚の30代女性の借金は高額になりがちです。

借金への対策

借金が高額になりがちといっても、収入がある以上、既婚の30代女性と比較して、借金の返済に充てられるお金も多いので、まずは任意整理を検討すべきでしょう。

裁判所を介する手続きを選択した場合、裁判所に提出するため、勤務先に退職金額を証明する書類を用意してもらう必要があり、そのような手続きをとっていることを勤務先に知られる可能性があります。

このような点からも第一次的には任意整理を検討すべきでしょう。

しかしながら、借金が借金の金額が大きく、毎月の返済が難しいということであれば、個人再生や破産など、裁判所を介した手続きを選択しなければならないでしょう。

未婚の30代女性の場合、「継続した収入を得る見込みがあること」という条件を満たし、個人再生を選択するできる場合が多く見られます。

もっとも、返済の面では破産の方が有利ですから、個人再生と破産のどちらを選択すべきかについては、弁護士等の法律の専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

以上、既婚の30代女性、未婚の30代女性に分けて借金の理由を検討するとともに、借金への対策について説明しました。

両者の借金の理由は異なりますが、まずは任意整理を検討した方が良いという点では同じでしょう。

そして、任意整理は、借金の金額が大きくなると難しくなるので、できるだけ早期に弁護士等の法律の専門家へ相談した方が良い点も同様です。

借金の毎月の返済が難しいと感じたら、できるだけ早めに弁護士等の法律の専門家へ相談されることをお勧めします。

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