テレビドラマなどを見ていると「自己破産をしたら借金は亡くなるけれど、代わりに手持ちの財産はすべて奪われてしまう…」というイメージがあるかもしれません。
しかし、結論から言うとこのような描写は実際とはかなり違います。
そもそも自己破産というのは「借金を返せなくなってしまった人の再スタートを応援するための制度」ですから、裁判所は自己破産手続き後に生活がきちんとしていけるように配慮はしてくれます。
以下では、自己破産で失うものとそうでないものとについて具体的に解説しますので、これから自己破産を行うことを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
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それでは解説をしていきます。
現金や預金について
まず、現金や預金についてですが、結論から言うと「現預金合計で100万円以内であれば手続き後も手元に残すことができる」ということになります。
具体的なルールとしては「破産法第34条3項」という法律があります。
この法律によると、「通常の世帯の生活費2か月分×2分の3の金額」までは現預金を持ち続けてもOKということになっているのですが、生活費2か月分=66万円というのが法律上の扱いになっています。
66万円×2分の3=およそ100万円ですから、実務上もこの金額が目安となります。
(生活費の平均については民事執行法第131条・民事執行施行令第1条という2つの法律で決まっています)
なお、実際の裁判所の指示では「銀行預金については20万円まで」という制限がされることが多いですから、自己破産の手続きを始める前には預金はできるだけおろして現金の形にしておくのがのぞましいでしょう。
手続きを開始するタイミングで、銀行預金には水道光熱費や社会保険料、携帯電話代の引き落としなど最低限の支払に対応するための金額だけを預けておくようにしてください。
お給料やボーナスについて
あなたがすでに手元に持っているお金については上で見た通り(現預金合計で100万円まで)ですが、手続き開始後に受け取るお給料やボーナスについても、すべてがもっていかれるわけではありません。
給与については「差押え禁止債権」というルールがあり、次の方法で計算した金額までは債権者が持っていくことはできない(=あなたの手元に残る)とされているのです。
↓※次の2つの計算方法を知っておいてください(どちらも同じ意味です)
・あなたの給与額-差押え禁止債権=債権者に引き渡す金額
・あなたの給与額-債権者に引き渡す金額=差押え禁止債権
差押え禁止債権の金額の計算方法ですが、まず、給与額が33万円を超えない場合には、その4分の3があなたの手元に残ることになります。
33万円×4分の3=24万7500円です(ここから社会保険料や税金は差し引きされます)
給与額が33万円を超える場合は、次のいずれか大きいほうの金額が債権者に渡す金額になります。
・①給与額-33万円
・②給与額×4分の1
例えば、給与額が40万円の人であれば、①は7万円、②は10万円なので、10万円を債権者に引き渡して残りの30万円はあなたの手元に残ることになります。
一方で、給与額が50万円の人であれば①は17万円、②は12万5000円ですから、17万円を債権者に引き渡して33万円があなたの手取り額ということになります。
(つまり、手元に残せるお給料の金額は、最高でも33万円ということです)
マイホームについて
自己破産を検討している方の中には、現在マイホーム(持ち家)に住んでいるという方もいらっしゃるでしょう。
結論から言うと、自己破産を選択した場合には、マイホームは裁判所の命令で競売にかけられ、その代金は債権者に分配することになってしまいます。
住宅ローンがまだ残っている場合、多くの場合にはマイホームに対して抵当権が設定されていますから、自己破産手続きが開始した段階で、住宅ローンを借りている金融機関はその抵当権を実行してくることになるでしょう。
住宅ローンを完済しているという場合でも、裁判所の命令でマイホームは競売にかけられ、債権者に代金は分配されてしまいます。
借金は整理したいけれど、どうしてもマイホームには住み続けたいという場合には、自己破産以外の方法を選択する必要があります。
マイホームに住み続けたい場合
マイホームに住み続けたい場合に選択できる債務整理は、任意整理または個人再生(住宅ローン特則といわれる方法を選択)の2つです。
まず、任意整理の場合には「どの借金について債務整理するか」を選択できますから、マイホームに抵当権が設定されているローンについてはこれまで通りに返済しつつ、それ以外の借金について減額の交渉をするという形をとれば、マイホームには問題なく済み続けることが可能です。
住宅ローン特則を使った個人再生とは
また、個人再生の場合には、住宅ローン特則という特別なルールを適用してもらうことが考えられます。
住宅ローン特則とは、ごく簡単にいえば「住宅ローンについてはこれまで通りに返済をする代わりに、それ以外の借金については減額を認めてもらえる」という方法のことです。
例えば、銀行から借りている住宅ローンが残り2000万円、消費者金融から借りている無担保のローンが500万円あるという場合には、住宅ローンについては減額されませんが、無担保のローンについては100万円だけ返済すればOKとしてもらえる可能性があります。
住宅ローン特則を使った個人再生を選択する場合には、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談しながら手続きを進めるようにしましょう。
自動車について
自動車に関しては、自動車ローンが残っているかどうか、そしてその自動車に下取り価値があるかどうかによって扱いが異なります。
まず、自動車ローンが残っている場合には、自動車の所有権はそもそもあなたのものにはなっていません(所有権留保といいます)から、ローン会社がその車を持って行ってしまいます。
一方で、自動車ローンは完済しているという場合や、キャッシュで勝ったという場合には、その車を下取りや買取に出したときに20万円以上の価値がある場合には手放さなくてはなりません。
その価値がない場合には自動車はあなたの手元に残せる可能性が高いでしょう。
なお、これらは自己破産の申し立てをする裁判所によって微妙に扱いが異なる可能性がありますから、事前に相談する弁護士や司法書士によく確認するようにしてください。
会社の経営は継続できる?
会社の経営をしている方の場合、自己破産後に会社の経営を続けることができるのか?は重要な問題です。
まず、基本的な点として会社の運営方法が個人事業であるのか、法人企業であるのかによって扱いが異なることを理解しておきましょう。
個人事業を運営している人が自己破産をするという場合、会社の経営権の問題は基本的に生じませんが、事業用の設備で換金価値のあるものは債権者に持っていかれてしまう可能性があるので注意が必要です。
一方で、法人企業の経営者になっている人が、自身の借金について自己破産するという場合には、いったん取締役を退任しなくてはなりません。
(免責を受けた後に復職することは可能です)
ただし、役所の許可が必要な事業については、自己破産後に復権を受けるまでは復職ができないケースが多いので注意しておきましょう。
なお、会社の経営をしていた人が自己破産して会社をいったん廃業し、その後に新しい事業を始めることには何の制限もありません。
個人事業として再開してもいいですし、新しく法人を設立して事業を始めても問題はありません。
まとめ
今回は、自己破産で失うものとそうでないものについて具体的なケースを想定して解説いたしました。
自己破産は社会一般で持たれているイメージと、実際の運用とでかなり異なる部分がありますので注意しておきましょう。
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