自己破産を考えている人の中には、「実際のところ、自己破産をするってどういうことなんだろう?」といった疑問や、「自己破産をするとどうなってしまうんだろう?」といった不安を抱いている人が多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問や不安を解消するため、自己破産の流れについて分かりやすく説明します。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
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それでは解説をしていきます。
自己破産とは?
自己破産という言葉はよく耳にしますが、そもそも、自己破産というのはどういうものなのでしょうか。
自己破産は債務整理の方法の一つ
借金(債務)が増え、返済が難しくなった場合、債権者に借金(債務)を減額してもらったり、返済を猶予してもらったりして、借金(債務)を整理する必要があります。
このように借金(債務)を整理することを「債務整理」と言います。
一口に「債務整理」といってもいくつかの方法があり、自己破産はそのうちの一つです。
自己破産手続の内容
自己破産は、裁判所に申立てをして、すべての借金(債務)の返済を免除してもらう手続きです。
もっとも、債権者としては、債務者が財産を保有していて、少しでも借金を返済することができるにもかかわらず、返済しないというのは納得できません。
そのため、自己破産の手続きは、①債務者の財産を処分してお金に換え、債権者への返済に充てる手続き、②それでも残った借金をゼロにする手続きからなります。
①は「破産手続」と呼ばれ、②は「免責手続」と呼ばれています。
自己破産の手続きには2種類ある
自己破産の手続きには2種類あります。
一つが「管財事件」で、もう一つが「同時廃止」です。
それぞれ見ていきましょう。
管財事件とは?
管財事件と同時廃止を区別するのは、「破産管財人」が関わるかどうかです。
①破産手続を進めるにあたっては、債務者にどのような財産があるのかを調査し、財産があれば、これを適切に換価して、債権者への返済に充てなければなりません。
また、自己破産の手続きについて定めている破産法は、裁判所が、債務者の借金をゼロにすることを認めない事由について規定しています(破産法252条1項各号)。
このような事由を「免責不許可事由」といいます。
そのため、②免責手続を進めるにあたっては、免責不許可事由の有無を調査する必要があります。
こうした財産の調査や管理、事実関係の調査を裁判所が自らするのは非常に負担が大きく困難です。
そのため、裁判所は、これらの業務を行うものとして「破産管財人」を選任するのです。
そして、裁判所は、破産管財人からの報告に基づいて自己破産の手続きを進めます。
このように、破産管財人が選任された上で手続きが進められるものは「管財事件」と呼ばれます。
破産法上、管財事件が原則とされています。
同時廃止とは?
先に説明したとおり、破産管財人は、財産の調査や管理、事実関係の調査をするために選ばれます。
破産管財人が財産の調査や管理、事実関係の調査をする分、時間とお金(破産管財人の報酬)がかかります。
なお、破産管財人の報酬は、申立人が負担することになっています。
そうすると、財産の調査や管理、事実関係の調査をする必要性が乏しい場合にも破産管財人を選任することは不経済です。
そこで、破産手続が始まるのと同時に終了させる制度が存在します。
このような制度を「同時廃止」といいます。
同時廃止では、破産手続がすぐに終了するので、破産管財人が選任されることはなく、免責手続だけが進むことになります。
個人の自己破産の多くは同時廃止
先ほど、破産法上は管財事件が原則とされていると説明しました。
しかしながら、自己破産をする個人の多くは破産管財人の報酬を負担することができません。
そのため、実際に裁判所に申し立てられる個人の自己破産の多くは同時廃止となる傾向にあります。
管財事件になる場合
実際に裁判所に申し立てられる個人の自己破産の多くは同時廃止となる傾向にあると説明しましたが、どのような場合に管財事件になるのでしょうか。
20万円を超える財産を保有している場合
破産法上、同時廃止の要件は、裁判所が「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」と定められています。
破産財団とは、簡単に言うと、債務者が破産を申し立てた時点で保有している財産のことです。
破産手続費用とは、「破産管財人の報酬等」とされています。
破産管財人の報酬は、各裁判所が決めているのですが、個人の自己破産の手続きの場合、20万円程度のことが多くなっています。
そうすると、簡単に説明すると、債務者が20万円を超える財産を保有している場合は、管財事件になるということになります。
この財産には、現金はもちろん、預金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、退職金等が含まれます。
申立ての時点で破産者が保有する財産の有無が不明な場合
他方で、申立ての時点で債務者が保有する財産の有無が不明な場合、破産法が定める同時廃止の要件を充たしているか分かりません。
そのため、原則どおり、管財事件となり、破産管財人が選ばれます。
破産者に免責不許可事由のあることが窺われる場合
先に説明したとおり、本来、管財事件が原則で、裁判所は例外として同時廃止とすることができます。
したがって、破産者が20万円を超える財産を保有していない場合でも、裁判所が管財事件とすることもあります。
その典型的なものが、破産者に免責不許可事由のあることが窺われる場合です。
免責不許可事由の分かりやすい例として、借金の原因がギャンブルや浪費であることが挙げられます。
破産者が借金の原因を申告すればよいのですが(裁判所に対して嘘の説明をすることも免責不許可事由とされています)、借金の原因が複数ある場合、申告が十分になされないこともあります。
そうすると、破産者に免責不許可事由があるか否かは、借金の原因や使途、破産手続における破産者の態度等を調査しなければ判断できません。
このような調査を裁判所自ら行うのは負担が大きく困難ですから、裁判所は、管財事件とし、破産管財人を選任します。
また、破産法上、破産者に免責不許可事由がある場合でも、裁判所は、様々な事情を勘案し、裁量で借金をゼロにすることが認められています。
このとき、勘案すべき事情を調査するためにも、裁判所は、管財事件として破産管財人を選任するのです。
管財事件と同時廃止の違い
それでは、管財事件と同時廃止の違いはどのようなところにあるでしょうか。
手続きに要する時間が異なる
先に説明したとおり、同時廃止の場合、破産手続はありません。
一方、管財事件の場合、破産管財人が財産の調査や管理、事実関係の調査を行います。
そのため、管財事件の場合、同時廃止の場合と比べて多くの時間を要します。
手続費用が異なる
先に説明したとおり、管財事件の場合、手続費用として管財人の報酬(20万円程度)を支払わなければなりません。
弁護士費用が異なる
自己破産の手続きを裁判所に申し立てる場合、弁護士に依頼する人がほとんどだと思われます。
同時廃止の場合、破産手続はありませんから、破産者から依頼を受けた弁護士としては、裁判所に自己破産の手続きの申立てをした時点でほとんどの仕事が終わったといえます。
他方で、管財事件の場合、破産者から依頼を受けた弁護士は、破産管財人による調査に協力する必要があります。
そのため、同時廃止の場合の弁護士費用の相場は、200,000円から300,000円程度と言われているのに対し、管財事件の場合は300,000円から400,000円程度と言われています。
同時廃止・管財事件共通の流れ
それでは、最後に、自己破産の手続きを申し立てた場合の流れについて見ていきましょう。
弁護士への相談・依頼
自分で自己破産の手続きを裁判所に申し立てることは不可能ではありません。
もっとも、自己破産の手続きの申立てを自分でするのは非常に難しいです。
そのため、弁護士へ相談し、最終的には依頼することをお勧めします。
自分では自己破産しか選択肢がないと思っていても、弁護士に相談してみると、別の債務整理をすれば足りるということもあるでしょう。
以下では、弁護士に依頼したことを前提として説明をします。
債権者や財産等の調査
債権者及び債権額の調査
依頼を受けた弁護士は、まず債権者を確認します。
そのため、依頼する際、債権者が分かるものとして、契約書、督促状、カード等を持参するとよいでしょう。
弁護士は、聞き取った結果を基に、債権者に対し「受任通知」というものを発送します。
この受任通知には、債務者が破産を申し立てる予定であることを記載し、弁護士が代理人に就いたため、今後、債務者への連絡を控えるよう要請します。
併せて、債権者に対し、どのような債権がいくら残っているのかを明らかにするよう求めます。
そして、弁護士は、債権者から返送された書類を基に、どの債権者が、どのような債権をいくら有しているのか一覧表を作成します。
財産の調査
また、弁護士は、債務者がどのような財産をいくら保有しているかを確認します。
そのため、依頼する際、財産に関係する書類(例:預金通帳、車検証、保険の解約返戻金額の証明書等)を持参するとよいでしょう。
破産申立書の作成
弁護士は、債権者や財産等の調査が終わると、破産申立書を作成します。
裁判所への申立て
弁護士は、完成した破産申立書と添付書類を裁判所に提出し、自己破産の手続きの申立てを行います。
このとき、二つの申立てを同時に行う必要があります。
一つが①破産手続開始の申立て、もう一つが②免責許可の申立てです。
どのくらいの期間がかかるのか?
依頼した弁護士にもよりますが、弁護士に相談して、裁判所への申立てをするまでに少なくとも3か月程度はかかるのが一般的です。
同時廃止特有の流れ
それでは、裁判所への申立てが済んだ後、同時廃止の場合はどのような流れになるでしょうか。
破産手続開始決定
裁判所は、提出された破産申立書と添付書類を見て、破産手続開始決定の要件を充たしているかを検討します。
提出されたものだけでは不明な点がある場合、裁判所は、債務者を呼び出し、事情を聴取します。
このとき、免責不許可事由の有無についての事情も聴取することが多くなっています。
この事情聴取は、管財事件にするかどうかを決める点でも重要です。
そうして、裁判所は、破産手続開始決定の要件を充たしていると判断した場合、破産手続開始決定をします。
破産手続の終了(同時廃止決定)
裁判所において、提出された破産申立書と添付書類、そして債務者からの事情聴取を踏まえ、同時廃止とすることとした場合、破産手続開始決定と同時に、破産手続を終わらせる決定をします。
これにより破産手続は終了します。
免責手続
裁判所は、破産手続開始決定と破産手続を終わらせる決定すると、債権者に対し、期限を設け、債務者の債務をゼロにすることについて意見を求めます。
免責許可決定
そして、債権者から意見を聴取する期限が経過すると、裁判所は、債権者の意見、債務者からの事情聴取の結果を踏まえ、免責許可決定をします。
なお、裁判所から免責許可決定がなされても、その後2週間以内は債権者から異議を申し出ること(即時抗告)が可能なため、それが過ぎるまでは確定とは言えません。
免責許可決定が確定すると、債務者は、債権者に対して借金を返済する義務を免除されたことになります。
どのくらいの期間がかかるのか?
同時廃止の場合、裁判所への申立てから、免責許可決定が確定するまでに3~4か月程度はかかると言われています。
管財事件特有の流れ
次に、裁判所への申立てが済んだ後、管財事件となる場合はどのような流れになるでしょうか。
破産手続開始決定
裁判所は、提出された破産申立書と添付書類、そして債務者からの事情聴取を踏まえ、管財事件とすることとした場合、破産手続開始決定をすると同時に破産管財人を選任します。
破産管財人との面談
先に説明したとおり、破産管財人は、財産の調査や管理、事実関係の調査をするために選ばれます。
そのため、破産手続開始決定後、直ちに破産管財人と面談をし、財産の調査や管理、事実関係の調査に協力するのが通常です。
債権者集会の開催
破産手続開始決定から2、3か月後、裁判所において、債権者集会が開かれます。
債権者集会では、まず、破産管財人が裁判所や出席した債権者に対し、財産の調査や管理の結果を報告、説明します。
債権者に対して一部でも返済ができるようであれば、そのことについても報告します。
もっとも、個人の自己破産の手続きの場合、債権者に対する返済はできないことがほとんどです。
また、債権者集会といっても、債権者である貸金業者等が出席することはほとんどありません。
破産手続の終了
裁判所は、破産管財人の報告を受けて、破産手続を終了する決定をします。
債権者に対して返済がなされて終了する場合を「破産手続終結決定」といい、債権者に対して返済がなされずに終了する場合を「破産手続廃止決定」といいます。
免責手続
管財事件の場合、破産手続と並行して免責手続が行われます。
具体的には、債権者集会に引き続き、破産管財人が債務者の免責についての意見を述べる機会が設けられています。
免責許可決定
その後、裁判所は、破産管財人の意見を踏まえ、免責許可決定を出します。
免責許可決定がなされた後、確定するまでの手続きは、同時廃止の場合と同じです。
どのくらいの期間がかかるのか?
管財事件の場合、裁判所への申立てから、免責許可決定が確定するまでの期間は、事案によって大きく変わります。
もっとも、破産管財人の業務が少ない事案であっても、少なくとも6か月程度はかかると言われています。
まとめ
以上、自己破産の手続きの流れについて説明しました。
このように自己破産の手続きは複雑で、弁護士に依頼することなく自分で申し立てるには難易度が高いので、弁護士に依頼することをお勧めします。
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