借金を抱えていることは、誰にも知られたくないものです。
債務整理をすると、
「借金を返せない状況にあることが他人に知られてしまう」
「失いたくない財産を手放さなくてはいけない」
といった不安を感じることが少なくありません。
そのため、すでに完済することができないことが明らかな場合でも、「自己破産だけはしたくない」と問題の解決を先送り、放置してしまう人も少なくありません。
しかし、返済の行き詰まった借金は、放置していても解決できるものではありません。
逆に、利息や遅延損害金がかさんでしまったり、借入件数が増えてり、ヤミ金とかかわってしまったりと、状況を深刻化させてしまう可能性の方が高いでしょう。
今回は、10年間解決を放置すると借金はどうなるか、長期間解決を放置した借金を自己破産以外の方法で解決することはできるかということについて解説します。
10年放置した借金でも自己破産以外の方法で解決できる可能性は十分に残されています。
あきらめる必要はありません。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
返済できない借金を10年も放置することはとても危険
返済の行き詰まった借金を放置することはとても危険です。
まして10年も放置していれば、借金問題はかなり深刻な状況になっていることも予想されます。
10年間放置し続けた借金を完済できる目処がないときには、すぐに債務整理することを考えるべきでしょう。
消費者金融、銀行カードローンの利息・遅延損害金は高額
金融機関から借金をすれば必ず利息が発生します。
特に、消費者金融や銀行カードローンからの借金に発生する利息は高額です。
たとえば、年18%で50万円借りたときには、毎月7,500円の利息が発生します。
借金の額が減らないまま10年間放置すれば、利息だけでも90万円です。
また、借金の返済に滞納があれば、その分の遅延損害金も発生します。
多くの金融機関の遅延損害金は年20%に設定されているので、利息よりも高額です。
長期間の延滞があると信用情報にも傷が付く
完済できる目処のない借金を10年以上抱えているときには、返済に長期の延滞が発生していることも珍しくありません。
61日以上、3ヶ月以上の延滞があると、信用情報に「事故情報(延滞)」が登録されてしまいます。
延滞の事故情報は、完済から5年間消去されません。
延滞の事故情報があれば、金融機関から新規の融資を受けることや、クレジットカードの新規発行は難しくなります。
10年間全く返さなければ踏み倒すことはできるのか?
借金を全く返済せずに10年間放置すれば「消滅時効で踏み倒せる」と考える人もいるかもしれません。
しかし、これから説明するように、消滅時効で借金を消すことは簡単なことではありません。
消滅時効が成立するための要件
消滅時効は、「債権者が一定期間権利行使をしなかったとき」に成立するものです。
勘違いしている人がすくなくありませんが、「返済をしないこと」と「債権者が権利行使しないこと」は同じではありません。
つまり、「借金の返済をしていなくても、債権者が権利行使していれば」消滅時効は完成しないということです。
さらに、消滅時効は「時間が経過する」だけでは効力が発生しません。
消滅時効によって借金の返済義務を消滅させるためには「時効の援用」という意思表示の行為が必要です。
つまり、時効を援用する際には、債務者から債権者に連絡をする必要があります。
債権者が何もせずに10年も経過することはあまりない
時効の完成を阻止するために必要な債権者の権利行使として、民法は次の行為を定めています。
- 訴訟上の請求(催告)
- 差押え
- 仮差押え、仮処分
債権者である消費者金融、クレジットカード会社、銀行などが、消滅時効に関するルールを知らないはずがありません。
実際にも、債権者が全く何の権利行使もしないまま、10年も延滞を放置することは、かなり稀なケースです。
「債権者に内緒で引っ越しをすれば権利行使できないのでは?」と考える人がいるかもしれませんが、そんなに甘くはありません。
債権者には債務者の居住地を調査するために、債権者の戸籍・住民票などを閲覧する権利が認められています。
また、金融機関はそれぞれ独自に債務者を追跡するノウハウをもっています。
実際に逃げ切ることは簡単ではありません。
借金問題は自体が深刻化する前に、早い段階で専門家に相談するべきなのは間違いありません。
さらに、債務者の居所がわからないからといって権利行使がまったくできないわけではありません。
訴訟には「公示送達」という制度があります。
「公示送達」を利用すれば、居所のわからない債務者を相手に訴訟を行うことができます。
公示送達では、「官報」という政府発行の広報誌と裁判所の掲示板に「訴訟が提起されたこと」が告知されます。
しかし、一般の人のほとんどは、官報や裁判所の掲示板を定期的に確認していません。
つまり、公示送達で訴訟を起こされれば、「権利行使があったかどうか」は債務者にはわからないことになります。
ところで、消滅時効の援用は、「債権(債務)と債務者を特定できる情報を記載した内容証明郵便」を送ることで行われるのが一般的です。
債務者の特定には、氏名・住所などの記載が不可欠です。
実際にも、公示送達されていたことを知らないままに、時効の援用を行って債権者に居所を知られてしまうケースがないわけではありません。
10年間放置した借金を債務整理できるか?
完済することができない借金は債務整理で解決することができます。
債務整理には
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
3つの方法があります。
何年放置した借金であっても債務整理することは不可能ではありません。
しかし、借金の状況が悪化するほど、成功する可能性のある債務整理の種類が減っていきます。
あまりにもひどい状況では自己破産することすらできない場合もあります。
完済できないことが確実な借金をそのまま放置することはとても危険です。
10年も放置した借金を任意整理するのは難しい場合が多い
任意整理は、最もよく使われている債務整理です。
裁判所を用いない方法なので、費用も安く抑えられ、交渉の相手となる債権者を選ぶことができ、他人に知られるリスクが最も少ない方法です。
任意整理が成功すれば、今後の利息を免除したもらった上で、分割払いを再度やり直すことができます。
一般的な債務整理では、残った借金を3年(36回)から5年(60回)の分割で返済します。
利息の負担がなくなれば、現在抱えている多額の借金も返済可能となることは少なくありません。
しかし、返済に行き詰まってから長期間が経過した借金はかなり深刻な状況になっている可能性があります。
状況が深刻なときには、次のような理由で、任意整理では借金を解決できない可能性があります。
- 借金が多額すぎるために、支払い可能な額まで返済額を減らすことができない
- 延滞状況がひどいために債権者の信用を失い、任意整理に応じてもらえない
任意整理で借金を解決するためには、「毎月決まった金額」を返済できる収入がなければなりません。
任意整理では利息は免除してもらえますが、借金(元金)それ自体は減額してもらえないのが一般的です。
そのため、抱える借金額が多いほど、毎月返済しなければならない金額も多くなります。
返済期間を長く設定すれば、毎月の返済額は減りますが、あまり長すぎれば債権者の同意を得ることが難しくなります。
実務上は36回から60回の分割とするのが一般的です。
借金の残高と返済回数ごとの毎月の返済額の目安は下の表のとおりです。
また、任意整理は、裁判所用いない方法なので、「交渉に応じるかどうか」は債権者の自由な判断に委ねられます。
返済を長期間滞納している場合や、借りて間もない借金(ほとんど返済していない)があるときには、任意整理の交渉に応じてもらえないことも珍しくありません。
さらに、借入件数が多い人の場合には、一部の債権者が任意整理に応じてくれないことで、毎月の返済額がうまく減らせず、任意整理に失敗してしまうこともあります。
毎月確実に返済できる金額の上限には限界があるからです。
再度お伝えしますが、借金トラブルは遅くなればそれだけ自分にとって不利な状態を作り出してしまいます。
1日も早い相談を心がけて下さい。
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個人再生を利用すれば借金を減額してもらえることも
任意整理での分割返済も難しいほど多額な借金があるときでも「自己破産しかない」と諦める必要はありません。
裁判所の手続きである「個人再生」を利用できれば、借金を減額してもらえる可能性があるからです。
個人再生が認められたときに返済しなければならない金額はあらかじめ法律で定められています(下の表のとおり)。
なお、この「減額対象」となる借金に、住宅ローンや自動車ローンのような担保を提供した借金や、個人再生申立て6ヶ月前までの公共料金の延滞分などは含まれません。
ただし、債務者に「高価な資産」があるときには、借金が減らない場合もあります。
個人再生では、上の最低弁済基準額と「自己破産したときに差し押さえられる財産の総額(清算価値)の高い方の金額を3年かけて返済しなければならないからです。
これを「せいさんかち保証の原則」といいます。
返済の目処のない借金を長期間そのままにしてしまう人の中には、マイホームなどの財産がある場合も少なくありません。
「債務整理するとせっかく買ったマイホームを失う」と勘違いしている場合などがあるからです。
たとえば、住宅ローンの返済を優先して、消費者金融や銀行カードローンの返済は自転車操業などでやりくりしていたような場合には、「がんばって住宅ローン返したこと」で個人再生が使えなくなってしまうこともあります。
ローンの返済により「アンダーローン」(マイホームの評価額がローン残高よりも高い状態)になれば、清算価値保障原則で借金が減らなくなることもあるからです。
「住宅ローン特則付き」個人再生をすれば、住宅ローンと消費者金融などからの借金を二重で抱えているときでも、マイホームを手放すことなくその他の借金を解決できます。
「住宅ローンがあるためにカードローンの返済が苦しい」という人は、「全部返そう」と頑張りすぎる前に弁護士・司法書士に相談してみることが大切です。
個人再生(小規模個人再生)は「債権者の多数に反対」されると失敗する
個人再生が認められれば、債権者の権利が縮小(借金の減額)されてしまいます。
そこで、裁判所が個人再生を認可するためには、債務者が提示した返済条件(再生計画案)に対して債権者が反対していないことが条件となります。
債権者の頭数で1/2かつ債権額ベースで1/2以上の反対があったときには、個人再生は認められません(小規模個人再生の場合)。
借金に長期間の延滞があるときには、債権者が再生計画案に反対する可能性も否定できません。
再生計画認可後にきちんと返済してくれることへの信頼がないからです。
サラリーマンや公務員のような「毎月の収入額の変動が小さい人」であれば、「給与所得者等再生」という手続きを使うことで、債権者の同意なしに個人再生をすることも可能です。
ただし、給与所得者等再生では、小規模個人再生の場合よりも返済額が多くなる場合が多いことに注意が必要です。
自己破産できない場合に注意!
借金を長期間放置したことで借金が多額になってしまったときには、分割で返済しようにも収入が足りない場合が少なくありません。
どうやっても返せない借金は自己破産で解決するほかありません。
返せない借金をそのままにしておくことはとても危険です。
しかし、次のような場合には、自己破産すらできない可能性があります。
- 全く返していない借金があるとき
- 自己破産の1年前までに「返せないことをわかっていながら収入などを偽ってした借金」が
ある場合
借りたお金を全く返さずに自己破産すると詐欺となることがあります。
また、そのような破産も詐欺破産として認められません。
返せないことが明らかなのにもかかわらず「自己破産はしたくない」と自転車操業などで解決を放置してきたときには、問題のある借金を抱えるリスクも高くなります。
「借金を10年放置していたとき」まとめ
自己破産以外の方法で借金を解決するためには「毎月決まった金額」を確実に支払う必要があります。
収入が足りない、仕事ができないという場合には、借金は自己破産で解決するほかありません。
しかし、借金の解決をあまりにも長期間放置すると、自己破産すらできない問題のある借金を抱えるリスクも高くなります。
現在の制度は、「早めに債務整理するほどメリットも大きく」なるように設計されています。
抱えている借金を完済するのが厳しいと感じたときは、できるだけ早く弁護士・司法書士に債務整理の相談をしましょう。
今すぐの行動が非常に重要なのは言うまでもありません。
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でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
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