アコムの借金は債務整理できる?できない?債務整理の種類や過払い金請求についても紹介

「よく聞く名前なので最初に借り入れをしたのがアコムだった。」

「アコムって大手の会社だよね?債務整理なんかしても大丈夫なの?」

債務整理をする際によくある心配として、アコムのような大手から借り入れをしているような場合でも債務整理ができるのか?というものです。

結論から言うとアコムから借り入れをしている場合でも債務整理は可能です。

このページでは消費者金融アコムと債務整理の関係について見てみましょう。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』

このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

アコムの借金は債務整理できる?できない?

「アコムの事は大体わかったけど、債務整理をすることができますか?」

アコムと債務整理をするとどのような対応になるかを見てみましょう。

アコムと任意整理をする場合

アコムと任意整理をするとどのようになるかを確認しましょう。

任意整理とは

任意整理とは、貸金業者と個別に交渉をして借金返済を楽にしてもらうとする手続きのことをいいます。

「楽になるってどんな風になるの?頑張れば0にしてもらえる?」

個別の交渉という事にはなっておりますが、実務的な対応は一律となっており、元本を最長で36回に分けて支払うようにしてもらう、という内容になります。

利息はカットして支払いをしてもらうことができるようになるので、返済が楽に。

仮に、すでに返済が滞っているような場合には遅延損害金の支払い義務があるのですが、ほとんどのケースで遅延損害金も支払う義務から免除してもらえるメリットがあります。

つまり、50万円の元本があるような場合には、毎月1万4千円程度の支払い×36回にしてもらうことになるのです。

端数が出ますがそれは初回もしくは最終回に調整します。

アコムの借り入れを任意整理をする場合どうなる

「一般的な処理についてはわかったけど、アコムでも同じように任意整理できるの?」

結論として、アコムは一般的な任意整理やより柔軟な対応をしてもらえることが可能です。

まず、任意整理の申し込みをしても、通常の36回までの分割を拒むことは基本的にはありません。

また、債務額・取引期間・弁護士の対応次第では36回を超える分割をすることも可能な場合があります。

利息・遅延損害金についてもカットに応じています。

一括で返せる場合

「債務整理をしようと思っていたんだけど、親戚が返済のための資金を出せるかもしれない…」

このような場合でも、アコムの場合には任意整理を併用しましょう。

任意整理をすると36回~の分割で返していくことになるのですが、これには当然返済がきちんとされていることの管理のコストがかかります。

もし一括で返済してくれるのであれば、管理コストもいらないことになります。

そのため、アコムは任意整理をして一括で返済をすることができる場合には、1割程度の減額に応じていることがあります。

完済するための資金を出してくれる方がいる場合には、任意整理を併用して支払い金額を減らしましょう。

アコムが例外的な対応をとる場合

以下のような場合には、アコムの例外的な対応をとる場合があります。

  • 借り入れ期間が極端に短い
  • すでに裁判を起こされて確定判決をとられている

アコムが任意整理に応じるのは、すでにある程度の期間を貸し付けており利息で十分に利益を上げたことが前提になります。

そのため、借り入れ期間が極端に短いような場合には、利益もあげられていない上に、そもそも長期間の分割和解をしても返済してくれない、という判断をせざるを得ません。

そのためアコムとしては、借り入れ期間と同じ期間の分割にしか応じないということがあります。

例えば、借り入れをして6ヶ月しかたっていないような場合には、6回の分割までしか認めないということです。

「これじゃ返せなくて破産するしかなくないですか?アコムも損するんじゃないですか?」と思う方もいらっしゃるかと思います。

このような場合に、返済ができない人の債権管理を行うくらいだったら、自己破産をした債権として貸倒償却をして経理上の処理を終わらせたい、という意図があります。

また、アコムが裁判に勝訴しているような場合には、いつでも仕事先の給料の一部を差し押さえることができる状態です。

道義上交渉には応じますが、すでに発生している遅延損害金の一部の支払いを求めてくるようなケースがあります。

アコムが信用保証をしている場合の注意

アコムについての概要をお伝えする際に、銀行の信用保証をしているケースがあることをお伝えしました。

任意整理をする際に、アコムが保証会社をしている銀行の借り入れもある場合、アコムと任意整理をすると銀行の借り入れも影響を受けることがあります。

その結果、銀行の借り入れは任意整理するつもりではなかった場合でも、銀行の借入も一緒に任意整理をすることもありますので注意しましょう。


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アコムに過払い金請求をする場合

借り入れ期間が長期にわたった場合には過払い金請求をすることができる場合があります。

過払い金請求とは

「テレビやラジオのCMでよく聞くやつですよね?お金を借りて返済していたらお金が帰ってくるってどんなものなんですか?」

過払い金請求は、払いすぎていたお金が帰ってくるものです。

なぜ、「払いすぎていたお金」が発生するのでしょうか。

利息の上限を規定している法律には、民事上の効力を規定している利息制限法と刑罰を規定している出資法の2つがあります。

かつては、刑罰を規定している出資法の利息が、現在の利息よりもかなり高い利息を規定していたため、利息制限法の上限利息と出資法の上限利息に違いがありました。

そのため、利息制限法を超える利息ではあるが、出資法の利率は超えていない、という状態があり、このような利息のことを「グレーゾーン金利」と呼んでいました。

最高裁は、このような利息の受け取りは無効で、消費者金融は契約者に受け取りすぎていた利息は返しなさい、という判決を下したのです。

これが過払い金請求です。

ただ、出資法が平成2010年6月28日に改正されており、それ以後は過払い金が発生する余地がなくなっています。

債権の時効は10年で、過払い金請求権も法律上は10年の時効にかかるので、時効にかかっていないと判断できるケースは非常に限定的になっています。

アコムに過払い金が発生している場合

「アコムに過払い金を請求するとどうなるの?」

アコム相手に過払い金が請求できる時には、次のように処理されます。

まず、弁護士・司法書士から請求をすると、裁判にならないで返還してもらう時は元金約9割の返還を受けることができます。

経営状態が圧迫されている貸金業者からは1円も返してもらえないという事も珍しくないなか、アコムは経営的にも体力があるので、返金額も業界では最高水準です。

「いや…でも、発生した過払い金は全額払ってもらえないの?」

仮に全額を取り戻すためには裁判で行うことになりますが、裁判をして、発生した過払い金に発生する利息とともに請求します。

それにアコムが合意をすることができれば返してもらえますが、アコムの対応として全額の返還、およびこれに類する(端数処理など)の返還には応じていません。

1円たりともオマケしたくないというのであれば、裁判に勝って強制執行になるのですが、あまりに現実的ではないといえます。

自己破産・個人再生をする場合のアコムの対応

では、自己破産・個人再生をする場合にアコムはどのような対応をとるのでしょうか。

自己破産とは

自己破産は、裁判所に申し立てをして所定の手続きを経て借金を免除してもらう手続のことをいいます。

任意整理のように個別の債権者との交渉ではなく、裁判所での決定を経るという点と、返済をする必要が原則なくなるという点に特徴があります。

個人再生とは

個人再生とは、裁判所に申し立てをして、所定の手続きを行うことで、借金を減額してもらった上で分割して返済していく手続です。

任意整理を利用した分割返済では支払いきれないような場合には自己破産手続を使うのが良いです。

しかし、次の2つの事例で個人再生を使うメリットがあります。

一つは住宅ローンで自宅を購入した場合です。

自己破産をするとすべての債権者に手続きに参加してもらうことになります。

そのため、住宅ローン債権者は、抵当権という権利に基づいて自宅を競売することができることになるので、債務者は住宅を追い出されることになります。

もう一つは警備員・宅建業などで資格を利用して仕事をしている人です。

国家資格の中でも他人の財産を預かる可能性がある資格をしている人は、自己破産をするとその資格で登録をすることができないとされることになっています(欠格事由)。

医師や看護師・薬剤師といった生命・身体に対する職業で素人にさせるわけにはいかない、という観点の資格は問題にはなりません。

宅建士や警備員はその元になる法律で、破産者であるうちは仕事につくことができないと規定されています。

このような場合でも個人再生であれば破産者にはならないので仕事を続けることができるのです。

自己破産・個人再生の場合債権者にアコムが居る場合でも問題なく利用可

自己破産・個人再生をする場合にアコムが居ても、特に問題になることはありません。

借り入れ期間が短いなど、任意整理では問題があるようなケースでも、自己破産・個人再生では裁判所に決定されるという関係にあるので、問題なく利用をすることができます。

アコムってどんな会社なの?会社概要を紹介

まず、アコムはどのような会社なのでしょうか。

今では一般的な自動契約機を最初に作ったのがアコム

アコムの歴史は古く、昭和11年4月に創業した丸糸呉服店がその前身です。

アコム株式会社自体は昭和53年に設立されたもので、平成6年に東京証券取引所に上場。

同社を有名にしたのは、「むじんくん」という無人の自動契約機を作ったことで、タレントのセイン・カミュさんを起用したCMは話題になりました。

社名のアコムは、

  • Affection(愛情)
  • Confidence(信頼)
  • Moderation(節度)

の頭文字からとった造語です。

平成20年に三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となりました。

貸金業だけではない多岐にわたるアコムの業務

アコムといえば貸金業というイメージがある方も多いと思うのですが、次のような業務も営んでいます。

信販(マスターカード)

アコムかはMasterCardのプリンシパルメンバーであり、アコムマスターカードを発行しています。

信用保証事業

銀行のローンを組むときに、銀行に支払うことができなかった時のために、特定の会社に保証をさせることがあります(信用保証)。

このような業務を信用保証業務といっており、グループの三菱UFJ銀行の他、セブン銀行やスルガ銀行・いくつかの地方銀行の債務を保証しているのです。

これが債務整理に影響することがあります。

DCキャッシュワンはアコムに吸収された

かつて、DCキャッシュワンという、三菱UFJ銀行の系列の消費者金融がありました。

現在はアコムに吸収合併がされています。

アコムの基本情報

アコム株式会社

東京都千代田区丸の内二丁目1番1号明治安田生命ビル

設立1978年10月23日

連結子会社に

  • エム・ユー信用保証(信用保証業)
  • アイ・アール債権回収株式会社(サービサー)

などががあります。

まとめ

このページではアコムと債務整理をする際の注意についてお伝えしました。

保証の関係でややこしいこともあるのですが、債務整理に詳しい弁護士・司法書士であれば把握している内容です。

きちんと債務整理に詳しい弁護士・司法書士に相談をしてアコムを含めた借金の整理を行うようにしましょう。

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