今回は、
- 「借金を3年放置するとどうなるか?」
- 「3年放置した借金を債務整理することはできるか?」
これらのことについて解説します。
借金の返済に行き詰まった人でも、
すぐに債務整理に踏み切らずに解決を放置してしまう人は少なくないようです。
「債務整理をする」と、さまざまなデメリットが生じる可能性があるため、実際に踏み切るには勇気も必要だからです。
また、「お金の悩み」を抱えると、精神的な負担も小さくありません。
そのため、自暴自棄になってしまい「返済を完全に放置」してしまう人もいます。
しかし、借金は放置して解決できる問題ではありません。
むしろ、借金の問題を放置すれば状況が悪化することの方が多いでしょう。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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借金問題は先送りにすればするほど、状況は悪化するだけ。
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それでは解説をしていきます。
返済できない借金は放置するほど深刻になる
債務整理にネガティブな印象をもっている人は少なくありません。
そのため、借金の返済に行き詰まってしまっても、問題の解決を放置してしまう人がいます。
しかし、一度返済に行き詰まった借金は、そのまま放置していても解決できることはありません。
借金問題は解決のための取り組みが遅くなるほど、深刻化していきます。
毎月の利息がいくらか確認しましょう
消費者金融や銀行などからお金を借りれば必ず利息が発生します。
利息は完済するまでずっと負担しなければならないものです。
抱えている借金の額が大きければ、毎月支払い利息の金額も当然高くなります。
借金の返済に苦しんでいる人には、「毎月支払っている利息の金額」を正しく把握できていないことが珍しくありません。
たとえば、消費者金融2社から年18%で50万円ずつ借金しているときに発生する利息の額は1ヶ月で15,000円(年18万円)です。
借金額を減らせないまま3年放置すれば、利息だけで54万円支払う必要が生じます。
また、借金を放置している人には、毎月の支払いに遅れや未払いがあることも少なくありません。
返済の滞納があるときには、利息よりも高額な遅延損害金が発生します。
「お金がないから返さない」という放置はとても危険です。
自転車操業がはじまると借金は雪だるま式に増えていく
借金で苦しんでいる人には、返済日にお金がないときに別の金融機関から「返済のための借入」をする人も少なくないようです。
プロミスへの返済のために、クレジットカードでキャッシングするといった行為のことを「まわし」とか「自転車操業」と呼びます。
自転車操業は、借金を増やす行為です。
その場の返済日は無事にやり過ごせたように見えますが、借金の額は減っていません。
むしろ、完済までの返済期間が延びたことで、支払総額は増えてしまっています。
また、自転車操業をしている人には、「2万円の返済のために10万円借りる」というように、明らかに借金を増やしている人もかなりいます。
これでは、借金の放置どころか、借金を悪化させているだけです。
自転車操業は「一度始めたらやめられない」ことからその呼び名がついています。
毎月の収入不足から返済が滞ったときには、それを解決することは簡単なことではありません。
しかし、現在の法規制などを前提にすると、自転車操業を永遠に続けることはかなり難しいことです。
借入件数が増えるほど、借金の把握・返済の管理は困難になります。
自転車操業をはじめてしまったことで、気がついたときには、「とても返せない金額」まで借金が膨らむことも決して珍しいことではありません。
消滅時効で借金を踏み倒すのは簡単ではない
消費者金融や銀行、クレジットカード会社からの借金は、5年で消滅時効となります。
たとえば、すでに「3年間全く返済していない」状態にある人であれば、あと「返済をあと2年放置して消滅時効で踏み倒そう」、「3年逃げ切れたからあと2年も逃げ切れる」と考えているかもしれません。
しかし、消滅時効は「返済を放置した場合」に成立するのではなく、「債権者が権利行使しなかったとき」に成立することに注意が必要です。
「返さなければ消滅時効が成立する」と勘違いしている人は少なくないようです。
銀行や消費者金融といった金融機関が「返済されない借金」をそのまま放置しておくことは、実際にはあまりありません。
万が一、消滅時効成立寸前で債権者から訴訟を起こされれば、それまで逃げるためにしてきた努力はすべてムダになります。
また、延滞期間が長くなることで、請求される遅延損害金の金額も高くなってしまいます。
借金の返済に行き詰まってしまったときには、「返済することを放置して消滅時効でなんとかならないか」と考えてしまいがちですが、絶対にお勧めできません。
3年間放置した借金を債務整理できるか?
借金を3年間放置したことで多額に膨れあがってしまったときには、「もう債務整理できないかもしれない」と途方に暮れている人もいるかもしれません。
しかし、借金を放置してしまった場合でも債務整理による解決は不可能ではありません。
債務整理には、
- 「任意整理」
- 「個人再生」
- 「自己破産」
これら3つの方法があります。
長期間放置してしまった借金であっても、収入・借金の状況によっては自己破産以外の方法で解決できる場合があります。
毎月の収入があれば、自己破産せずに解決可能な場合も
債務整理の方法のうち、「任意整理」と「個人再生」は、毎月の収入から借金の残額(の一部)を分割で返済する方法です。
任意整理では今後の利息が免除され、個人再生では今後の利息だけでなく借金(元金)の一部を免除してもらえることがあります。
借金の返済が苦しい原因の多くは「利息の負担が重い」ことにあります。
利息がなくなれば毎月の支払額も圧縮できるため、「返済できなかった借金でも完済できるようになる」ことは珍しくありません。
また、個人再生をすれば、借金自体が一部免除となるので、さらに返済額を圧縮することができます。
任意整理・個人再生した場合の毎月の返済額の目安は、下の表にまとめたとおりです。
個人再生を上手に利用できれば、1,000万円を超える借金を抱えていても自己破産せずに解決できる可能性は十分に残されています。
※1,000円未満の端数切り捨て
ただし、個人再生を利用するときには、所有している財産の状況に注意する必要があります。
個人再生での返済額は、「個人再生のときに自己破産した場合に配当される金額」よりも高額でなければならないからです(清算価値保障原則)。
つまり、20万円を超える財産を多数保有しているときや、ローン完済済みの不動産のように高額な資産があるときには、個人再生を利用しても「借金が減らない」可能性があります。
特に、住宅ローンと消費者金融などからの借金の両方を抱えてしまっている人の中には、「せっかく買ったマイホームを手放したくない」と、債務整理の着手に躊躇してしまう人が少なくありません。
清算価値保障原則との関係でいえば、個人再生を後らせて住宅ローンの残りを減らすほど不利になる(借金が減らない)可能性が高くなります。
「住宅ローン特則付き」個人再生を申し立てれば、住宅ローンとカードローンの返済が重なってしまったときでも、マイホームを手放すことなく、カードローンの整理が可能です。
延滞状況がひどいと自己破産以外の債務整理は難しい場合もある
任意整理や個人再生で借金を解決するためには、債権者との信頼関係が重要です。
任意整理は私的な話し合いがベースとなる方法なので、債権者の同意がなければ、借金を解決することができません。
また、個人再生の場合にも、債権者の多数の反対があるときには、再生計画(借金を減額して分割返済する返済計画)の認可を受けることができません。
借金を放置している人には、「長期の滞納・未払い」や、「借りたままほとんど返していない借金」があることも珍しくありません。
これらの場合には、債権者から信用を失ってしまっているので、「任意整理に応じてもらえない」、「再生計画案が否決される」リスクが高くなります。
「給与所得者等再生」なら債権者の同意が不要
個人再生には、一般的に利用される「小規模個人再生」のほかに「給与所得者等再生」という方法があります。
給与所得者等再生であれば、債権者の同意不要で再生計画の認可を受けることができます。
ただし、給与所得者等再生は、サラリーマンや公務員のように「毎月の収入額の変動が小さい」人しか利用することができません(自営業者やアルバイトでも収入額の変動が小さければ利用できます)。
また、小規模個人再生の場合よりも返済額が多くなることが一般的です。
毎月の収入がない(足りない)ときには自己破産するしかない
任意整理・個人再生で必要な毎月の返済額を工面できないときには、自己破産で残った借金の返済義務をすべて免除してもらいます。
「自己破産だけはしたくない」と感情的に拒否する人も少なくないようですが、自己破産は必ずしもデメリットだけの手続きではありません。
たとえば、自己破産をしても生活に必要な家具・家電などは差し押さえられません。
また、現金も99万円までは没収されずに手元に残すことができます。
自己破産によって、年金が差し押さえられたり、将来の年金受給権を失うこともなければ、戸籍や住民票に記録が残ることもありません。
返済をせずに借金を解決する方法は自己破産しかありません。
手元に財産がほとんどない人であれば、同時廃止で手続きも早く終わり、裁判所に納める費用も数万円程度に抑えることができます。
さらに「浪費」や「ギャンブル」を原因とした借金があるときでも、裁判所の裁量で借金の返済義務を免除してもらうことができます(ただし、財産がなくても管財事件となるので、20万円以上の費用が必要です)。
「借金を3年放置していたとき」のまとめ
3年間借金を放置してしまった場合でも債務整理で解決することができます。
完済することが難しくなった借金をそのまま放置していては、状況はさらに悪化していきます。
いまでは多くの弁護士事務所・司法書士事務所が借金の無料相談を行っています。
また、債務整理を依頼したときの弁護士・司法書士費用も分割で支払うことができます。
借金の返済に困ったときには、返済を放置したりせずに、弁護士・司法書士に相談してみましょう。
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でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
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