自衛官は、その仕事の性格から、私生活が厳しく制限される反面、衣食住に不安が生じないように、自衛隊によるケアが徹底されています。
したがって、普通に生活している限りは「借金とは無縁」の生活を送ることができます。
しかし、過酷な任務のストレスの発散や、営内生活での人間関係などを理由に、「買い物依存」になってしまったり、「ギャンブル・風俗遊び」にはまってしまう人も少なくないようです。
浪費やギャンブルを原因とする借金でも、自己破産などの債務整理で解決することは可能です。
浪費やギャンブルは「免責不許可事由」に該当しますが、裁判所の裁量で免責を受けられるからです。
しかし、自衛官の場合には、「自己破産」は、「今後の昇進」や「私生活」に大きな影響が生じる可能性が高いといえます。
「自己破産するほどの多額の借金がある」ことが上官(自衛隊)に知られてしまえば、出世がとまり、営外生活の許可の取消し、外出禁止といったペナルティを科される可能性が高いからです。
実際にも、「上官に知られるのが怖い」という理由で、返済の厳しくなった借金を放置している人もいるのではないかと思います。
しかし、返済できなくなった借金を放置すれば、逆に「借金があることを上官に知られてしまう」リスクが高くなります。
そこで今回は、自衛官が「誰にも知られず」に返すことが難しくなった借金を解決するためのポイントについて解説します。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
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それでは解説をしていきます。
自衛官が債務整理を躊躇してしまう理由
自衛官には「国の安全を守る」という特別な役割があるため「心身共に健康」であることが強く求められます。
そのため、自衛官が借金を抱えることは一般的に「タブー」とされています。
借金があることが上官に知られれば、昇進、私生活に大きな悪影響が生じてしまうことも少なくないようです。
借金をしても「クビ」にはならない
自衛官の中には「借金がバレるとクビになる」と不安に思い債務整理に躊躇してしまう人も少なくないようです。
しかし、公務員である自衛官の身分は法律によって手厚く保護されています。
自衛隊法42条に定められている懲戒事由は、下記のとおりです。
・勤務成績がよくない場合
・心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
・上記の場合以外に、その職務に必要な適格性を欠く場合
・組織、編成もしくは定員の改廃または予算の減少により、廃職又は過員を生じた場合
・自衛隊員倫理法に違反した場合(防衛省が定める基準)
また、自衛隊員の欠格事由は、自衛隊法38条1項で次のように定められています。
・成年被後見人または被保佐人
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
・法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
・日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者
少なくとも「借金がある」、「債務整理(自己破産)した」というだけで、自衛官として身分を失うことはありません。
共済からの借入がある
自衛隊が自衛官の借金を好ましくないと考えていることは、「やむなく借金するときには共済組合から借りるように」と指導していることからもわかります。
共済から融資を受けるためには「部隊長の許可」が必要なため、自衛隊として隊員の借金を確実に把握できるからです。
また、共済組合への返済は給料天引きとなるので、延滞の心配もありません。
防衛省共済組合では、住宅ローンや教育ローンだけでなく、低金利の無担保融資、銀行と提携したフリーローンも行っているので、多くの自衛隊員が共済組合から融資を受けています。
そのため、自衛隊員が消費者金融などの借金のために、「自己破産」や「個人再生」をすると、共済組合も対象となってしまう場合が少なくありません。
自己破産や個人再生は、「すべての債権者(借金)」を対象に手続きを行う必要があるからです。
共済組合にも「守秘義務がある」とはいえ、給料から天引き額で債務整理したことはすぐにバレてしまいます。
「借金があることがバレる」と昇進や私生活に悪影響がでる
借金のあること(債務整理したこと)が自衛隊に知られてしまうと、免職にはならなくても「昇進や私生活に大きな影響がでる可能性が高いこと」も自衛官が債務整理を躊躇してしまう大きな理由といえます。
自衛官は、原則として駐屯地内の寮で生活しなければなりません。
営外に居住することができるのは一定の階級(曹)以上の人や、30歳以上もしくは妻帯者に限られます。
借金があることが自衛隊に知られてしまうと、営外での居住の許可が取り消される可能性があります。
また、借金問題が解決するまでの間私用での外出許可が下りない場合も多いようです。
特に営内生活をしている自衛官は、「生活のため」に借金をする必要がありません。
衣食住に必要なものはすべて自衛隊から支給されるからです。
自衛官の借金は、浪費やギャンブル・風俗通いといった道義的に好ましくない原因による場合がほとんどなので、自衛隊としては厳しく対応するのです。
自衛官こそ「早期に債務整理をすべき」理由
自衛官の人は「債務整理をすれば借金していることを自衛隊に知られてしまう」と債務整理に消極的な人が少なくありません。
しかし、実は自衛官こそ「借金が返せなくなったらすぐにでも債務整理すべき」なのです。
自衛官の借金は「深刻化」しやすい
自衛官は、債権者である金融機関にとっては「とても良い顧客」です。
自衛官という仕事は、福利厚生や身分保障が良いだけでなく、規律の厳しい職場であるため「借金を踏み倒される」リスクが少ないからです。
そのため、他の職業の人よりも多額の融資を受けられる可能性が高いといえます。
また、自衛官の借金の原因のほとんどは、浪費やパチンコ・競馬、キャバクラ通いといった遊興費です。
支出の原因が寮内の人付き合いにあるときなどには、「付き合いをやめる」のも簡単ではないため、借金(収入不足)が慢性化しやすいことにも注意が必要です。
返済を延滞すると自衛隊に借金を知られるリスクも高まる
借金の額が増えるほど、延滞のリスクも高くなります。
「借金をしていることが周囲の人に知られる」ケースの多くは、延滞か追加の借入です。
その意味で、債務整理をするよりも、「債務整理せずに借金を放置」した方が、同僚や上官に借金がバレるリスクは高くなります。
特に、自衛官の場合には、延滞時の督促電話への対応が難しい場合も多いでしょう。
5名1部屋の寮生活では私用電話すらままならない可能性も高いと思います。
また、督促の郵便物が届けば、借金していることはすぐに知られてしまいます。
さらに、借金返済のために追加で借入をすれば、「債権者の審査(在籍確認)」で借金していることがバレる可能性もあります。
債権者は金融機関であることを隠して電話をしますが、そもそも本人の携帯電話ではなく、職場に電話がかかってくること自体が不自然です。
借金のせいで職務遂行に影響がでると免職される場合も
「借金がある」、「債務整理をした」だけでは当然の免職事由にはならないことはすでに説明した通りです。
しかし、「多額の借金が返せない」ことは、精神的にも大きな負担となります。
たとえば、「返済日が迫ってきて精神的に落ち着かない」ことが理由で職務に悪影響がでた場合や、「職場に債権者から何度も督促電話がかかってきて職務遂行に支障がでた場合」などには、降格や免職の理由となりうる可能性があります。
また、借金返済の金策のために、「休暇を不正に取得」したり、「虚偽の理由で外出した」場合にも降格・免職の理由となる可能性はあるでしょう。
債務整理すると「債権者からの督促」が止まる
弁護士や司法書士に債務整理を依頼する一番のメリットは、「債権者からの督促がなくなる」ことです。
弁護士・司法書士が債務整理を受任したことを債権者に通知する(受任通知を送付する)と、債権者は「債務者本人への連絡」を禁止されます。
したがって、返済の厳しくなった借金を抱えてしまったときには、「債務整理」することが、職場に知られずに問題を解決する一番の近道といえます。
自衛官が「自衛隊に知られず」に債務整理する方法
営内生活をしている自衛官の場合には、「浪費」、「ギャンブル」、「風俗」といった借金の原因を絶てば、多少多額な借金でも自力で解決できる可能性はあります。
寮で生活しているうちは、衣食住にかかる費用はかなり少ないからです。
しかし、一般企業よりも人間関係の濃い環境にある営内生活では、同僚や上官との付き合いを完全に断つのは難しい場合が少なくないかもしれません。
また、借金が多額すぎれば、「利息の負担」が原因で借金を返しきれない場合もあります。
自力で「繰り上げ返済」できるかどうかがポイント
多額の借金を抱えてしまう人は、利息の額に無頓着な人も少なくありません。
たとえば、年18%で50万円の借金をしていれば、1ヶ月に7,500円の利息が発生します。
消費者金融や銀行カードローンの毎月の返済額は、1万円~15,000円くらいで設定されることが一般的です。
毎月の利息は、返済額から天引きされるので、支払い額の半分ほどは利息で消えてしまっています。
借金が減らない限り、毎月発生する利息の金額も減っていきません。
「返済しているのに借金が減らない」という人が自力で借金を減らせるかどうかは、「繰り上げ返済」の可否が重要なポイントになります。
繰り上げ返済できないほど毎月の生活が苦しいというときには、すぐに債務整理に着手すべきといえます。
自衛隊に知られずに自己破産・個人再生するのは難しい
債務整理には、裁判所を用いる「自己破産」、「個人再生」、「特定調停」の方法と、裁判所を利用しない「任意整理」があります。
このうち、裁判所を用いる債務整理は、「自衛隊に知られず」に行うことが難しい可能性があります。
その理由は次の通りです。
・自己破産と個人再生では、「官報」に氏名などが掲載される
・自己破産と個人再生は、すべての借金を対象にするので共済組合を除外できない
・自己破産・特定調停では、平日の日中に裁判所に出頭する必要がある(債権者集会・免責審尋・調停期日)
・特定調停を本人申請で行えば裁判所から郵便物が配送される
裁判所を利用する手続きでは、債務者本人が裁判所に出頭する必要が生じます。
たとえば、自衛官が自己破産した場合には、「(少額)管財」事件となる可能性が高いので、債権者集会が開催されます。
現在の自己破産の実務では、債務者本人の債権者集会への出席は必須です。
債権者集会を無断で欠席すれば、「免責不許可」となる可能性はかなり高くなるからです。
また、弁護士・司法書士に依頼せずに、特定調停を申し立てれば、債務者本人が平日の日中に開催される「調停期日」に出席する必要があります。
自衛官の外出には「上官の許可」が必須ですから、裁判所の手続きを利用すれば、債務整理していることを上官に報告する必要が生じます。
個人再生は、裁判所の手続きのなかでは、裁判所に出向かなくて良い可能性のある手続きです。
ただし、裁判所によっては、弁護士申請のケースでも「個人再生委員との面談」のために裁判所に出頭する必要が生じる場合もあります。
なお、共済組合から借入がある場合には、裁判所への出頭の有無にかかわらず、自衛隊に知られずに手続きを行うことは難しいでしょう。
自己破産・個人再生したことは共済組合に通知されてしまうからです。
任意整理なら自衛隊に知られずに借金を解決できる
「自衛隊や上官に知られず」に債務整理をするには、「任意整理」によるのが最も確実です。
弁護士・司法書士に任意整理を依頼すれば、すべての交渉・手続きは弁護士・司法書士が行ってくれるからです。
また、任意整理は「私的な話し合いにすぎない」ので、「共済組合だけを除外して」債務整理を行うことも可能です。
弁護士・司法書士(および事務所スタッフ)には守秘義務があります。
「職場には絶対に知られたくない」という要望をしっかり伝えておけば、しっかり対応してくれるはずです。
最近では、土日や夜間でも相談を受け付けている事務所も増えているので、自衛官の方でも弁護士・司法書士にはアクセスしやすくなっています。
任意整理で解決できる借金の目安
任意整理をすれば、「将来の利息」を免除してもらえます。
したがって、任意整理すれば、残っている借金を任意整理で合意した返済回数で割った金額を支払うことで、借金を完済できます。
一般的な任意整理は、3年から5年の分割払いとなります。
自衛官は一般のサラリーマンよりも身分が安定しているので5年(以上)の分割払いを認めてもらえる可能性が高いといえるでしょう。
仮に300万円の借金があったとしても、毎月5万円を返済できれば、自衛隊に知られずに借金を解決することが可能です。
借金の金額 | 3年の任意整理 | 5年の任意整理 |
60万円 | 16,000円 | 1万円 |
90万円 | 25,000円 | 15,000円 |
120万円 | 33,000円 | 2万円 |
200万円 | 55,000円 | 33,000円 |
300万円 | 83,000円 | 5万円 |
(※1000円未満の金額は切り捨て)
単身の自衛官は、原則として営内生活をしているので、多少高額な返済額でも支払いきれる可能性が高いといえます。
しかし、借金が多額すぎれば、「任意整理では解決できない場合」があることも否定できません。
借金問題は、対応が遅くなるほど金額が膨らんでしまいます。
自衛隊に知られずに借金を解決するためには、早期に対応することがとても大切です。
まとめ
「借金していることを誰にも知られたくない」のは自衛官に限ったことではありません。
しかし、「誰にも知られなくない」からと「返せない借金を放置」していると、逆に借金がバレてしまうリスクを高めるだけです。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、債権者からの督促が一切とまり、毎月の返済も一時的にストップさせることができます。
「借金がバレないか不安な生活」から解放されるには、早期に債務整理することがベストです。
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でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
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