ニッテレ債権回収とは~請求ハガキが来た時や法的手続きをされた時の対応方法

誰でも「身に覚えのない支払い」を請求されれば警戒してしまいます。

ある日突然「ニッテレ債権回収」という聞いたことのない会社から支払いを請求されて「日本テレビがなんで?」と思った人もいるかもしれません。

ニッテレ債権回収は、日本テレビ(日テレ)とは全く無関係の「債権回収業者」です。

債権回収業者とは、金融機関などの委託を受けて、金銭債権を回収することを業務としている会社のことです。

特に、ドコモdカード(NTTドコモのクレジットカード)の支払い、マツダのオートローンに延滞がある人が、ニッテレ債権回収から支払いを請求されます。

また、日テレ債権回収は、債権回収会社の大手なので、ソフトバンク、セゾンカード、viewカードなどの集金代行も行っています。

一般の方は、債権回収業者の名前なんて知らないことが多いと思います。

ニッテレ債権回収はSMSを用いて、債権に関する問い合わせをすることもあるため、「架空請求」と勘違いされることも少なくないようです(本当の架空請求もあります)。

しかし、債権回収業者からの督促を無視してしまえば、訴訟を起こされてしまう可能性もあります。

落ち着いて、正しく対応しましょう。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』

このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

ニッテレ債権回収からの請求を無視してはいけない理由

見に覚えない会社から金銭の支払いを請求されると「架空請求」や「詐欺」を疑ってしまいます。

しかし、ニッテレ債権回収からの請求は、法的にも正しい請求なので、無視することはとても危険です。

「ニッテレ債権回収」は正規の債権回収業者

弁護士(認定司法書士)以外の者が、「他者が保有する債権を回収する」ことを業とするには、法律に基づき法務大臣の許可を得る必要があります。

ニッテレ債権回収は、法務大臣の許可を受けた正規の債権回収業者(サービサー)です。

法務大臣の許可を受けたサービサーについては、下記ウェブサイトで確認することができます。

ニッテレ債権回収は、平成11年6月に営業許可を受けている老舗のサービサーです(登録番号7番)。

債権回収業を許可した株式会社一覧(法務省ウェブサイト)

ところで、「ニッテレ」という名称ですが、民法キー局の「日本テレビ」とは全く関係ありません。

「ニッテレ」という名称は、商号変更前の「日本テレサービス株式会社」に由来しています。

「ニッテレ債権回収」を装った詐欺に注意

ニッテレ債権回収では、SMS(ショートメール)を用いた連絡などを行うことがあります。

そのため、ニッテレ債権回収を名乗る詐欺の手口も横行しています。

ニッテレ債権回収からのSMSでは、下記の電話番号からのみSMSが送信されます。

それ以外の番号からのSMSは、ニッテレ債権回収を名乗っているものであっても詐欺なので注意が必要です。

0120-481-215(東京サービシングセンター)
0120-206-006(札幌サービシングセンター)
0120-374-888(札幌サービシングセンター)
0120-760-874(札幌サービシングセンター)
0120-821-451(札幌サービシングセンター)
0120-680-575(福岡サービシングセンター)
0120-545-808(福岡コールセンター)
0120-152-105(福岡コールセンター)
0032069000 または +32(0)69000(SoftBankの場合)

詳細は、下記ウェブページの案内も確認してください。

当社名やNTSグループ名を名乗る不審なSMS(ショートメッセージサービス)ご注意ください(ニッテレ債権回収ウェブサイト)


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ニッテレ債権回収からの請求されるのはどんな場合か?

債権回収業者であるニッテレ債権回収から支払いを請求されるのは、次のような場合です。

・提携先金融機関(企業)の借金(料金)を延滞した
・他社の債務がニッテレ債権回収に譲渡(売却)された
・あなたが契約している企業(金融機関)がニッテレ債権回収に集金代行を依頼している

ニッテレ債権回収に委託している主な企業

大手サービサーであるニッテレ債権回収は、多くの金融機関・企業と契約を結び、債権回収・集金代行事業を行っています。

提携先の主な企業は、下記の通りです。

・ドコモdカード
・SMMオートファイナンス
・SMBC債権回収
・NTTデータシステム
・大阪ガスファイナンス
・オリックス銀行
・クレディセゾン
・ゴールドポイントマーケティング(ヨドバシカード)
・九州日本信販
・とみんカード
・七十七銀行
・ビューカード
・ヤマトクレジットサービス
・ソフトバンク
・ローソンCSカード

NTTドコモの利用料金などの集金は、通常はNTTファイナンスが行っています。

しかし、ドコモdカードを利用して料金を支払っている際には、ニッテレ債権回収が集金代行を行います。

また、上記の企業以外の債権でも、債権譲渡を経由したことでニッテレ債権回収に回収代行を依頼される可能性があります。

ニッテレ債権回収から請求されたときの正しい対応

ニッテレ債権回収から支払いを請求されたときには、「慌てないこと」が何よりも大切です。

また、「思い込み」で対応するのも危険です。

請求主が本当に「ニッテレ債権回収」なのか必ず確認する

上でも解説したように、ニッテレ債権回収を騙った詐欺や架空請求は少なくないようです。

郵便物の場合には、差出人の名称・連絡先、SMSの場合には、発信元電話番号が正規の住所・電話番号であるか必ず確認しましょう。

不安なときには、「連絡された住所・番号・メールアドレス」ではなく、ニッテレ債権回収ウェブサイトなどに示される公式の電話番号・メールアドレス(メールフォーム)から問い合わせすることも大切です。

請求された「内容」を確認する

債権回収会社から金銭の支払いを請求されるときには、「請求内容の詳細」が必ず示されているはずです。

示されている請求内容(契約内容・債権(債務)の金額など)が事実と異なることはないか必ず確認しましょう。

事実と異なると思われる場合には、ニッテレ債権回収に問い合わせるほか、弁護士・司法書士に相談することも必要です。

また、請求された債権の内容は事実でも「すでに消滅時効が完成している」という場合もあります。

請求書(催告状)などには、「最終返済日(支払期日)」なども記載されているのが一般的です。

最後の返済(もしくは支払期日)の翌日から5年間、債権者から法的請求(訴訟提起など)をされなかった債務には、消滅時効が完成します。

消滅時効が完成している借金の支払いを請求されたとき

消滅時効が完成している借金の支払いを請求されたときには、注意が必要です。

ニッテレ債権回収からの請求に誤った対応をすれば、消滅時効が帳消しになってしまうからです。

次のような行為はしないようにしましょう。

・借金の存在を認める
・返済の猶予・分割払いを申し出る
・請求された金額の一部を支払う

消滅時効は、時間が過ぎただけでは「借金の帳消し」になりません。

消滅時効によって借金の返済義務をなくすためには「時効援用」が必要です。

時効援用前に、上のような行為(法律用語で債務承認といいます)をすると、時効援用の権利を失ってしまいます。

時効の援用は、債権者に対して「時効を援用する」ことを通知する必要があります。

一般的には、下記の必要事項を記載した内容証明郵便を送付します。

・債権者・債務者を特定できる情報(氏名/商号・住所/所在地・電話番号など)

・債権を特定できる情報(契約番号・契約年月日・契約額(残高))

・消滅時効が完成したこと(最終支払い日(支払期限)の翌日から5年経過したこと)

・時効を援用するので返済義務がなくなること

書き方がよくわからないというときには、弁護士・司法書士・行政書士に相談してみるとよいでしょう。

請求された金額を支払えないときの対応

請求された内容も事実で、消滅時効も完成していなければ、返済に応じるほかありません。

しかし、ニッテレ債権回収から請求されるケースでは、「返済できるお金がない」ことが多いと思われます。

また、ニッテレ債権回収以外にも多額の借金があることも珍しくないでしょう。

自力で返せない借金は債務整理で解決

返済に行き詰まってしまった借金は、債務整理で解決するほかありません。

「支払いに対して収入が足りない状況」は、自力で解決するのは難しいからです。

特に、ニッテレ債権回収のようなサービサーが回収を請け負っている借金は、延滞すれば、早い段階で法的措置に踏み切られる可能性が高いです。

法的措置を執られてしまえば、最終的には「給料の差押え」といった強制執行を受ける可能性が生じます。

給料を差し押さえられれば、「借金を返せていないこと」を勤務先にも知られてしまいます。

ニッテレ債権回収からの請求を債務整理するときの注意点

「ニッテレ債権回収への支払いができない」状況はさまざまケースが考えられます。

それだけニッテレ債権回収が取り扱っている債権の種類が多岐にわたるからです。

債務整理には、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つの方法があります。

弁護士・司法書士とよく相談した上で、状況に最も適した方法を選択することが大切です。

ニッテレ債権回収からの請求を債務整理で解決する際に特に抑えておきたい点をまとめておけば、次の通りになります。

・携帯・スマホの利用料に未払いがあると、新規契約ができない
・債務整理をすると、携帯・スマホ端末を分割払いで購入できない
・オートローンを債務整理(長期延滞)すると車を失うことがある

ドコモdカードの支払いが滞っている場合

ドコモdカードの支払いが滞っているときには、ドコモの利用料金・端末料金の支払いに遅延・延滞が生じている場合がほとんどでしょう。

ドコモの利用料金の支払いに未払いがあるときには、他社の携帯・スマホを契約することができません。

したがって、携帯・スマホの利用料金は、債務整理をした場合でもいずれ完済する必要があります。

利用料金の残額を支払えば、債務整理した人であって携帯・スマホの契約をすることは可能です。

ただし、携帯・スマホ端末は一括払いでしか購入できないことに注意が必要です。

なお、ソシャゲ課金の料金、洋服代購入などが原因でカード利用額が膨らんでしまった場合には、以下の記事も参考にしてください。

オートローンの支払いが滞っている場合

ニッテレ債権回収は、マツダのオートローン(SMMオートファイナンス)と提携していることがよく知られています。

オートローンの支払いを債務整理で解決すると、購入した自動車を失うことになります。

信販会社でオートローン組んだ場合には、「所有権留保」という担保が設定されているからです。

ただし、自動車を失いたくないと「債務整理せずに放置」しても長期延滞となれば、ローンが強制解約され、自動車は債権者に引き上げられてしまいます。

ニッテレ債権回収から支払いを求められるときには、すでに長期の延滞となっている場合も少なくないと思われるので、迅速かつ慎重な対応が必要です。

まとめ

ニッテレ債権回収からの請求がくるケースは、数の上では「ドコモdカード」の遅延・延滞が最も多いと思います。

携帯・スマホは、支払いが月遅れになっても即座に利用停止とはならないからです。

しかし、携帯・スマホ料金すら支払いきれない状況はかなり深刻です。

携帯・スマホ料金に滞納がある人の多くは、他にも多額の借金があることが少なくないからです。

返済が行き詰まった借金を自力で完済するのは、簡単なことではありません。

対応が遅くなれば、さらに借金が膨らみ、自己破産しか選択肢が残らないこともあります。

ニッテレ債権回収から支払いを求められたときには、借金・収入の状況をもう一度きちんと確認し、「完済が難しい」と感じたときには、弁護士・司法書士にできるだけ早く相談するようにしましょう。

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