債務整理を依頼した法律事務所を変更したい!変更時の注意点や具体的な変更方法まとめ

「債務整理を弁護士に依頼したんだけど、弁護士が何もしていなくて…」

「司法書士に債務整理を依頼したんだけど、依頼後にすごく態度が悪くなって、もう信頼できない」

様々な理由で債務整理を依頼していた弁護士・司法書士にこれ以上任せるのは不安だという事が発生することはあります。

その場合に、債務整理を委託する法律事務所を変更を考える方もいらっしゃると思うのですが、これは可能です。

このページでは、債務整理を依頼した後の法律事務所の変更についてお伝えします。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

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それでは解説をしていきます。

債務整理を法律事務所に依頼した後に変更はできる!

債務整理を法律事務所に依頼した後でも変更は可能です。

法律事務所を変更したい場合の例

どのようなケースで法律事務所を変更したい、と思うことがあるのでしょうか。

弁護士が仕事をすすめてくれない

債務整理を依頼して、分割での費用を入金したにもかかわらず、弁護士が全く仕事をすすめてくれない、という事があります。

もし弁護士が仕事をすすめてくれないとどうなるかというと、貸金業者はこれ以上待っても債務整理が進展をしない、と考え訴訟を起こすことがあります。

その結果、たとえば家族に内緒で債務整理をしているような場合には、自宅に裁判所からの通知が届く事になり、家族に内緒で債務整理ができないという事態に発展することもあるのです。

また、長期間放置をすることによって、遅延損害金をカットした和解案を飲んでくれない、将来の利息のカットを飲んでもらえない、という事に発展する可能性もあります。

そのため、弁護士が仕事をしてくれないような場合には、変更を検討すべきです。

「弁護士は受けた仕事を放置してしまうような事があるの?」

残念ながら、過去の弁護士会・司法書士会の処分等を見ていると、一定の割合で案件を放置したことを原因として、懲戒処分を受けている弁護士が散見されます。

弁護士の中には債務整理に積極的ではない方もいますので、そのような場合には早めに変更をすべきです。

弁護士や担当事務員の態度が悪い

債務整理を依頼した時は何ともなくても、依頼をした後に態度に問題があるなどして、信頼関係が築けないような場合もあります。

債務整理については担当事務員とのやり取りが多いこともあり、その人の態度に問題があって気持ちよく手続きを進められないようなケースもあります。

債務整理は依頼をしてから1年以上解決までにかかるケースもあるので、当事者の信頼関係は重要です。

態度が悪いなどで信頼関係が築けないような場合には、その後の事務が滞ることもよくあるので、法律事務所を変更することも視野に入れるべきといえるでしょう。

法律事務所(弁護士)とは委任契約を結んでいる

では、法律事務所に債務整理を依頼すると、どのような法律関係になるのでしょうか。

債務整理を依頼するということは、依頼者の側からは債務整理に必要な法律事務を弁護士に依頼することになり、それに応じて報酬を支払うことになります。

ですので、弁護士と依頼者との間には、委任契約が成立しています。

委任契約では当事者はいつでも終了させることができる

弁護士と依頼者と間には委任契約が成立しているということはどのような事を意味するのでしょうか。

委任契約については当事者双方が自由に契約を終了させることができることが、委任契約について規定する民法に規定されています。

つまり、依頼者の側から弁護士との委任契約の終了させれば(一般的にこのような行為を解任と呼んでいます)、あらたに別の法律事務所に依頼をすることができるのです。

なお、裏返せば、弁護士の側でも依頼を終了させることができます。

弁護士の側からは、報酬の支払いがないような場合に辞任という形で終了を申し出てくることがあります。

法律事務所(弁護士)から司法書士事務所(司法書士)に変更することもできる

「もともと法律事務所に依頼してたけど、債務整理は司法書士もやってるじゃないですか?よさげな先生だったのでそちらに変更したいんですが、大丈夫なのでしょうか」

債務整理は弁護士の他に、司法書士(正確には、認定司法書士という特別な代理権を持っている人)も行っています。

元々法律事務所に依頼をしていたからといって、司法書士に依頼することはできないとする規定はないので、このような形での変更も可能です。

逆のパターンである司法書士に依頼していたけれども、弁護士に変更する事も可能です。

ただし、司法書士は自己破産の依頼を受けた際には、裁判所からは本人からの申し立てであると扱われることがあります。

裁判所によっては、弁護士からの申し立てであった場合には同時廃止という簡単な手続きで終わらせるにもかかわらず、本人からの申し立てであるような場合には管財人がつく少額管財手続きにする場合があります。

これにより、管財人費用として20万~50万程度余計にお金がかかる場合があるのです。

支払っていた費用は返してもらえる?

「依頼をしてからしばらく費用を払っていたものについては返してもらえる?」

法律事務所に債務整理を依頼すると、弁護士費用が発生します。

弁護士費用には、弁護士が仕事に着手する段階で発生する着手金があり、分割での納付をすることがほとんどです。

着手金としての性質を持っている以上、債務整理の仕事が終わっていなくても、弁護士は受け取ることができます。

実際には、費用の返金については、法律事務所で依頼時に結んだ契約に従うことになりますので、契約書の内容次第ということになります。

すでに進んでいる債務整理はどうなるのか?

債務整理は時間をかけて手続きをすすめていくことになります。

それまで依頼をしていた法律事務所が行っていた手続きは、また1から進行することになるのでしょうか。

法律上の手続きを利用したような場合には、新しい法律事務所から途中から受け継ぐことになります。

あまりありませんが、自己破産の申し立てをした後に法律事務所を変更するような場合には、申立て後の手続きから進行を再開します。

債権者に何か言われないのか?

「途中で法律事務所を変更するような場合貸金業者が騒いだりしませんか?」

このような心配は不要で、債権者は特に法律事務所を変更したことで、債務整理に協力しないということはありません。

ただし、法律事務所を変更するような場合で、場合によっては前の弁護士との委任契約を終了させてしまって、新しい事務所を探すような場合があります。

貸金業者は、最初の弁護士が依頼をうけて介入してきた段階で、債務者に対する督促を行わないように貸金業法に規定されています。

弁護士が辞めてしまった後は、債務者に対して自由に督促を行うことが可能な状態になるので、できる限り新しい依頼との間に時間を空けないようにすべきといえます。

同じ法律事務所で手続きを変更するということも可能

たとえば、当初任意整理の予定で依頼をしたけども、勤務先が倒産をして収入がなくなったという場合を想定しましょう。

任意整理は返済をつづけていくことが前提の手続きですので、収入がなくなって返済ができなくなった場合に任意整理をすると、第一回目から支払ができないという事態に陥ります。

このような場合には、当初任意整理で依頼していたものの、自己破産に手続きを変更する必要があるのです。

法律事務所を変更するのではなく、依頼する手続きを変更することは可能で、この場合弁護士費用の差額を納めて手続き変更します。


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債務整理を委託する法律事務所の変更をする場合の方法

では、実際に債務整理を委託する法律事務所を変更するための方法について具体的に見てみましょう。

依頼したい法律事務所・司法書士事務所に相談をする

まず、新しく依頼したい法律事務所や司法書士事務所に相談をします。

最初の相談同様に、予約をとって相談に向かうことになるのですが、この際に法律事務所を変更したいという相談です、という話をしておきましょう。

相談時には最初の相談と同様に、債権者に関する情報や収入などに関する情報が聞かれますので事前にまとめておきます。

さらに、依頼をしてから現在に至るまでの状況なども併せてまとめておきましょう。

相談をしただけならば、依頼をしている事務所に相談をしたことが分かってしまうという事はありません。

相談した結果、その法律事務所に依頼を変更しなければならないというわけではないので、安心しましょう。

依頼をしていた法律事務所・司法書士事務所に連絡をする

相談した法律事務所に変更をするとなった場合には、もともと依頼をしていた法律事務所・司法書士事務所に連絡をします。

新しい事務所に依頼することになった事を伝えて、その後の手続きについて指示を仰ぎましょう。

その時までに新しい法律事務所が依頼を正式に受けるかどうかは、事務所の方針にもよります。

事務の途中になっているものの書類などの受け渡しについて協議する

元々の事務所への依頼が終了すると、法律事務所に預けていた書類や、弁護士が収集した書類などをどうやって受け渡しをするか、という問題があります。

債務整理の依頼を受ける際には、たとえば領収書やカードなどを弁護士・司法書士が預かることがあります。

自己破産・個人再生の依頼をした場合には、通帳や車検証・保険証などを預かることもあります。

また、依頼をうけた弁護士は、債権者から取引履歴を取り寄せ取得しているので、こういったものを引き取る必要があるのです。

元々の事務所が新しい事務所に送ってくれる場合もありますし、依頼者本人に送ってくる場合もあります。

それらが無いと新しい事務所での債務整理ができない場合もありますので注意しましょう。

まとめ

このページでは、法律事務所を変更する場合の手続きについてお伝えしました。

弁護士が信頼できなくなって依頼を変更したい!という事も可能ですので、いざとなった場合の手続きを確認しておきましょう。

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