「借金が払えなくなった…このまま放置したらいったいどうなるんだろう…」
「家族や職場に知られてしまうのか…でも破産なんかしたら終わるよね…」
借金が払えなくなってしまった時にはその後どのような事になるのか、どうやって生活を立て直せば良いか途方に暮れることもあるのではないのでしょうか。
実は借金を放置すると最終的には給与を差し押さえられることになってしまうことを知っておきましょう。
このページでは払えなくなった借金を放置しているとどうなるか、その対処方法についてお伝えします。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
借金が払えなくなったら何が起こるか
「借金が期限に払えなくなった何が起こるの?」
まずは貸金業者がどのような事をしてくるかを確認しましょう。
一回目の入金遅れの場合から電話連絡が来る
ある期日に支払いができなくなった場合には、まず電話連絡での督促が始まります。
といっても、一回目の期日への入金が出来なかったからといって、厳しい督促が始まるというわけではありません。
ついうっかりと期日に入金を忘れることもあるため、最初は入金を促す程度の電話がかかってくる程度です。
書面・訪問による督促を受ける
このような電話がかかってきても電話に出ない・折り返しもしないという事であれば、支払いに問題がある状態であると貸金業者も考えざるを得ません。
そのため、書面での通知や自宅への訪問による督促を受けることになります。
同居の家族に借金を内緒にしているような場合には、書面を見られて借金が払えなくなったのが分かってしまうことになるでしょう。
一括請求をされるのは期限の利益を失うから
払うべきお金は◯月分の一ヶ月分?とおもいきや、借金全額を払ってください、となっていることがあります。
どうして払えていない借金だけの請求ではないのでしょうか。
これは「期限の利益の喪失」というものと関連します。
例えば50万円の借り入れをしている場合でも、毎月決められた金額の支払いのみをすれば、支払いを遅延していることになりません。
このことを法律的に説明すると、返済時には決められた金額の支払いのみをすれば良く、その後の支払い期限のものについては拒否できる、という法律的な利益があることになります。
この利益の事を「期限の利益」と呼んでいます。
期限の利益は契約通り支払っているからこそ与えられるのであって、契約通りに支払わない場合には与えることは不要です。
延滞をしている人については、貸金業者からの通告によって期限の利益を喪失させる事ができるようになります。
期限の利益を喪失するということは、まだ返済期限が来ていない残りの借金についても一括で請求することができるようになります。
保証会社による代位弁済
銀行のカードローン・住宅ローン・自動車ローンなどについては、支払えなくなった時のために保証会社が保証をしています。
借金が支払えなくなった時に保証会社に代位弁済を求めると、保証会社が主債務者である借主に代わって債権者に支払いをします。
この支払が代位弁済です。
代位弁済がされると求償権といって、主債務者に保証会社が支払いを求めることができるようになります。
たとえば、三菱UFJ銀行から借り入れをしている場合には、アコムが保証会社になっていますので、その借金の支払いができないと三菱UFJ銀行に対してアコムが支払います。
それ以後はアコムが求償権を取得して、主債務者である借主に支払いを求めてくることになるのです。
裁判を起こされる
書面や訪問に対して無視をする、払えないという対応しかせずに何もしない場合には、貸金業者は裁判を起こしてきます。
当然ですが、仮に弁護士が入ったところで、支払い義務はあるので負けることになります。
裁判の代わりに、支払督促という裁判に代わる手続きを利用することもあります。
裁判は後述する強制執行を行うために必要です。
なお、商工ローンが債権者のような場合で、公正証書を持っている債権者は、裁判をしなくても強制執行ができます。
裁判所の通知も無視すると?
裁判は裁判所からの訴状が送達されてはじめて始まります。
「裁判所から訴状が来ても受け取らないで無視しているとどうなりますか?」
訴状は受け取って初めて送達がされたという扱いになるのですが、自宅に送っても受け取らないで無視しているような場合には職場に送達することが民事訴訟法で認められています。
職場に裁判をしていることが分かってしまいます。
財産の差押えをされる
裁判をして勝訴をした貸金業者は、債務者の財産を差し押さえます。
「差し押さえるもなにも、差し押さえる財産みたいなものはないですよ?」
このようなケースでは、貸金業者は債務者の給与を差し押さえます。
給与は全額ではないのですが33万円までは1/4を、33万円をこえる部分については全額を差し押さえることが可能です。
夜逃げには意味がないことを知る
「こんな目にあったら職場にも居られないし、自己破産をするのもはばかられます。もういっそ夜逃げをしてしまおうかと思います」
夜逃げは借金問題を解決しない事を知っておきましょう。
「借金には時効があるんでしょ?そこまで逃げていればいいんじゃないですか?」
確かに借金は5年で時効にかかる規定があります。
現段階で時効が完成しているのであれば、夜逃げをしなくても、時効の手続きをすれば良いです。
これから、時効が完成する最大5年間、夜逃げをすればどうなるのでしょうか。
債権者は5年間何もすることができないわけではなく、時効は更新することができます。
債権者が適切に手続きを取っていれば、時効は完成しません。
一方で夜逃げは、住所がバレないように、住民票を移さないで移転する必要があります。
住所を証明することができずに就ける仕事も限られますし、保険証が失効すると新しく取得できなくなってしまいます。
つまり生活ができなくなるのです。
夜逃げはは現在では無理であると考えておいてください。
放置した借金への対応方法
では、放置した借金はどのように対応すれば良いでしょうか。
5年ないし10年で時効にかかる?
少し述べましたが、借金は5年ないし10年で時効にかかることを知っておきましょう。
借金の時効の規定についての確認
借金は債権です。
債権については時効で消滅する規定が民法等にあり、5年ないし10年で時効にかかります。
銀行や消費者金融などの商法の規定が適用される借金については5年・そうでない債権については10年で時効にかかります。
なお、時効については改正がされており、5年で時効になることになっています。
時効の主張方法は内容証明で行う
「もう5年もしくは10年経っているのであればもう何もしなくてもいい?」
民法においては、時効は時の経過だけでは成立せず、「援用」という行為が必要です。
「援用」は、時効の制度を利用します、という意思表示をすることをいいます。
その方法については法律で定められた方法はないのですが、実務上は内容証明郵便を利用します。
内容証明郵便は、文書の内容を証明してくれるものです。
これを利用することによって、時効の援用を行う書面を相手に通知したという事実を公的に認めさせることができます。
また、その書面がきちんと時効を主張すべき期間内に送られたということも併せて証明するために、配達証明付きの内容証明郵便を利用します。
時効が主張できない場合には自己破産しかない?
「時効にかかっていないので、もう払えない借金はもう自己破産しかないのでしょうか…」
借金が払えないからといって放置することは得策ではないのですが、自己破産が嫌だという方も多いです。
後述しますが、自己破産のイメージが良くないのですが、自己破産自体は借金を免責してもらうことができるので、やり直しをいち早くすることができる手続きで、実生活ができなくなるような影響があるようなものではありません。
また、借金への手当には、任意整理・個人再生といった他の債務整理手段もあるので、積極的に検討をしましょう。
借金を放置してしまった時の債務整理について知る
では、借金を放置してしまった場合でもやり直しをするための債務整理について詳しく知りましょう。
債務整理は主に任意整理・自己破産・個人再生のどれかを使って、借金返済できなくなった状況をなんとかしようとするものです。
任意整理においては厳しい局面も
任意整理というのは、借金返済の際ひ必要となる利息や遅延損害金の支払いをカットしてもらい、元金のみを36回の分割を目途に支払いをしていく手続きのことをいいます。
滞納がまだそんなに長くないような場合であれば問題ないのですが、遅延損害金が元金の倍以上の金額が発生するほどに借金を放置していると、遅延損害金の一部は認めてほしいなどの主張をしてくる可能性が。
また、裁判を起こされている、すでに裁判が確定しているような場合には、さらに和解の条件が厳しくなり、遅延損害金のかなりの額を認めてもらいたいと主張してくることが予想されます。
給与の差押えがされているような場合には、もはや貸金業者としては給与から回収をすることができるので、任意整理に応じなくなります。
自己破産・個人再生を利用すべき
借金を払えなくて放置せざるを得ないような状況になっているような場合には、返済が非常に難しくなっている場合が考えられます。
任意整理は少なくとも元金を36回分割でも支払う必要があります。
そのため、手続後も支払う額が債務整理の中でも一番多いので、利用ができない人もいるのです。
そのような場合には、自己破産や個人再生も検討しましょう。
自己破産は上述もした通り、借金を免責してくれる手続きです。
ただ、住宅ローンを利用して住宅を持っている場合や、自己破産によって欠格事由となってしまうような資格を利用して仕事をしている人(警備員・宅建士など)は仕事ができなくなってしまいます。
そのような場合に、住宅ローンを手続きから省くことができ、自己破産ではないため職業制限がかからない、個人再生を利用することも手であると言えます。
【実録】借金を放置して結婚生活が崩壊!債務整理でやり直しを図る
実際に借金をしていて返済できずに放置をした人が債務整理でどのように立て直したかを見てみましょう。
妻に内緒にしていた債務がバレた!結婚生活が崩壊の危機に
Aさんは結婚をしてからはお小遣い制だったのですが、職場でよく飲みに行く事があり、朝まで職場の同僚を語っていたと嘘をついては、キャバクラに通うような事をしていました。
当然お小遣いでは足りないので、最初はパチンコに勝った時にだけ行っていたのですが、ある日お気に入りの子に「月末でノルマがピンチなの…」と言われ、借金をして会いに行ってしまいます。
借金をした分を取り返そうとパチンコに躍起になってしまい、負けることが多くなり、お小遣いをやりくりして借金を返済していましたが、月末になるごとにキャバクラ嬢にお願いされてどうしても断れず借金をして通うことが増えるようになり、借り入れが増大します。
なんとか穴埋めに…とパチンコに行っては負ける、もう少しで出そうなんだけど…と借金でパチンコをするようになって、一気に借入額を増やしてしまい、気が付いたらお小遣いでは返済しきれないようになってしまいます。
そのため、他の消費者金融から借り入れをして、それを返済にあてるという事を繰り返すようになって多重債務に陥りました。
借り入れできる限度まで借りて返済ができくなくなってしまい、自宅に督促の書面が届くことになり、妻に知れてしまいます。
借金の理由を説明できない!不信感を抱いた妻が子供を連れて実家へ
借金の存在を知った妻は、どうして夫が借金をしたのか問いただします。
キャバクラともパチンコとも言えずに押し黙ることしかできず、妻は愛想をつかして子供を連れて実家に帰ってしまいました。
3ヶ月くらいは一人で頑張って暮らしていたものの、家事をしながら仕事し、一人で寂しく暮らすのに限界を感じたAさんは、借り入れをした原因を妻に打ち明けます。
妻もパチンコをしているのは知っていたのですが、ノルマが厳しいと泣きつかれ、今ではキャバクラに行くこともできなくなって、連絡も取れなくなってしまったとしょげかえっていえる夫を見て、更生の可能性があると判断し、債務整理を条件に家に戻る事に。
夫は債務整理のために弁護士と相談をすることにしました。
妻の協力を得て支払い額を確保できたので任意整理で借金を完済
幸い、借金についてすでに妻に知れることになったため、返済については妻も協力することになったため、自己破産ではなく任意整理として処理をすることになりました。
約2年8か月の返済期間はさらにお小遣いが減ったものの、家族との時間を大切にするようになったため、Aさんは真面目に借金を完済し、結婚生活は持ち直しました。
まとめ
このページでは、借金を放置したことによってどのような結果になるのか?という事と、その適切な対処方法として時効の主張・債務整理についてお伝えしました。
弁護士・司法書士に相談するなどして、できれば借金を放置する前に、借金を放置してしまった後でも、すみやかに相談をするなどして、借金問題を早期に解決しましょう。
債務整理はアヴァンス法務事務所にお任せ!
でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
取り返しのつかなくなる前に、1日も早く相談を行い借金に苦しまない新しい生活をスタートしましょう。
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