契約社員は債務整理できる?契約社員の自己破産や任意整理11のポイント

今回は、契約社員が債務整理する際の注意点・ポイントについて解説します。

近年では、社会の認知度も高くなったことから、契約社員でも金融機関から借金できるようになりました。

しかし、契約社員の場合には、勤務先の都合による一方的な「契約打ち切り(雇い止め)」のリスクがあります。

借金した当初は、返せる予定だったとしても、突然の雇い止めで計画が狂ってしまったという人は少なくないかもしれません。

また、「将来雇い止めになるリスクを回避するため」に、「借金で困っていることを勤務先には知られたくない」と考えている人も多いのではないかと思います。

契約社員は、正規雇用の場合に比べて身分が不安定です。

そのため、債務整理する際にも一定の制限・限界があることは否定できません。

しかし、適切な債務整理の方法を選択すれば、勤務先に知られることなく、借金を解決することは不可能ではありません。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』

このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

まずは、匿名・無料で使える無料シミュレーションサイトで1度自分の状況を確認して下さい。

借りている金額や会社から、どのくらい借金が減るのか1分で簡単にチェックできます。

借金問題は先送りにすればするほど、状況は悪化するだけ。

悩んでいる間にも利息や遅延損害金は増え続けています。

匿名なので、会社や家族にバレることもありません。

まずは今すぐに、1度自分の借金はどれくらい減るのか確認をして下さい。
匿名・無料で使える借金減額シュミレーションはこちら⇒

それでは解説をしていきます。

債務整理の方法

債務整理の方法は自己破産だけではありません。

自己破産以外にも、

  • 「任意整理」
  • 「特定調停」
  • 「個人再生」

という方法があります。

契約社員が債務整理する場合にも、借金・収入の状況によって、自己破産以外の方法を利用することができます。

「正社員ではないから」、「契約社員だから」といって諦める必要はありません。

契約社員が「自転車操業」するのはとても危険

借金の返済に行き詰まった人には、「自己破産・債務整理はしたくない」とさらに借金をして直近の返済日をやりすごす人もいるようです。

たとえば、「三菱UFJ銀行のカードローンの返済日にお金がないときに、アコムから借金して返済する」ことを繰り返すことを「自転車操業」とか「まわし」とよんでいます。

自転車操業は、借金を深刻化させるリスクの高い行為です。

上のケースでは、銀行カードローンよりも消費者金融の方が利息も高いので、明らかに不利な借り換えです。

また、まわしのための借入のときには、「直近の支払い額」よりも多く借金している人も少なくないようです。

借金が減るどころか、借金を増やしてしまっては、借り換えた意味がありません。

特に契約社員の人の場合には「契約打ち切り」のリスクを抱えています。

その意味で、契約社員の自転車操業は、正社員の場合よりも遙かに危険の高い借金であることに注意が必要です。


アヴァンス法務事務所では、全国から債務整理案件を受託しております。
借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

アヴァンス法務事務所の無料相談はこちらです。

契約社員の任意整理

任意整理は、「利息の免除」や「分割払いのやり直し(返済期間の見直し)」といった「返済の負担」を減らしてもらう交渉を個々の債権者と私的に行う方法です。

「返済しているのに借金が減らない」と感じる原因のほとんどは利息の負担にあります。

法改正まえの年29.2%に比べれば低いかもしれませんが、年18%、年15%という利息は、決して軽い負担ではありません。

たとえば、消費者金融から年18%で借りた50万円の借金があれば、月々7,500円の利息が生じます。

消費者金融の毎月の返済額は13,000に設定されていることが多いので、借金は5,500円しか減っていません。

そのため、繰り上げ返済(約定返済額よりも多く返済すること)をしなければ、借金はなかなか減らないように契約が結ばれています。

債権者としては、返済期間が長い方がより多くの利息を徴収できるからです。

年18%50万円の借金を一般的な約定返済で完済したときに支払う利息の総額は、25万円近くにもなります。

任意整理をすれば、今後の利息が免除されるので、毎月支払った分だけ借金が減っていきます。

「毎月確実に借金が減る」というだけでも、借金返済の精神的な負担は大きく軽減されます。

さらに、利息の免除とあわせて「返済期間を見直す(伸ばす)」ことで、毎月の返済額を圧縮することもできます。

任意整理した場合の毎月の返済額

実際の任意整理は、借金の残額について利息を免除した上で、36回(3年)から60回(5年)の分割で返済する和解契約を債権者と締結するのが一般的です。

下の表は、それぞれの借金残額を3年・5年の任意整理をしたときの毎月の返済額の目安です。

5年の分割払いでの任意整理がまとまれば、ほとんどのケースで毎月の返済額を減らすことができます。

3年の分割払いの場合には、借金残額によっては毎月の返済額が変わらない(増える)可能性もありますが、利息が免除されるので支払総額はかなり減額されます。

弁護士・司法書士には契約状況を正直に伝えましょう

任意整理では長期間の分割で借金の残額を返済します。

そのため、返済期間中に現在の契約が満了となることもあるでしょう。

任意整理では、「契約社員である」ことを債権者に告知する必要はありません。

しかし、任意整理を依頼する弁護士・司法書士には、「返済期間中に契約を打ち切れる可能性があること」は、きちんと伝えておいた方がよいでしょう。

任意整理の返済中に返済が行き詰まった場合でも再度の任意整理(再和解)をすることは不可能ではありませんが、債権者が再和解に応じてくれるとは限りません。

債務整理を確実に成功せるためには、将来の収入変動のリスクも見据えた上で、和解の条件や他の債務整理の利用も検討することが大切です。

任意整理なら勤務先に知られる心配もほとんどない

任意整理の最大の特徴は、裁判所を介さない債務整理であることです。

それぞれの債権者と個別に話し合いをするために、プライバシーの保護に優れています。

弁護士・司法書士に債務整理(任意整理)を依頼すれば、債権者が債務者に直接連絡することもなくなります。

したがって、債務整理したことを勤務先に知られることはほとんどありません。

特に契約社員の方の身分は、正社員に比べて不安定です。

勤務先との契約継続のために、できるだけスキャンダルなことは避けたいというのであれば、任意整理が最もお勧めです。

債権者が任意整理に応じてくれないことも

裁判所を用いずに借金を整理できることは、任意整理の強みでもあると同時に弱点でもあります。

任意整理には「強制力」がないからです。

したがって、任意整理が成功するかどうか(任意整理を始められるかどうか)は、債権者の判断に委ねられることになります。

任意整理は、3年から5年の分割で借金の残額を返済する和解をします。

したがって、「長期間の分割弁済ができる」ということを債権者が信用してくれないときには、任意整理は難しくなります。

また、毎月の返済額が少なすぎる(返済期間が長すぎる)場合にも、債権者にとってはデメリットが大きすぎるため任意整理に応じてもらえないこともあります。

契約社員の個人再生

任意整理は、借金が多額過ぎるときには、「支払い可能な額」まで返済額を減らせないこともあります。

任意整理では利息しか免除されないからです。

このような場合には、個人再生を利用して「借金それ自体を減額」してもらうことを検討します。

個人再生は、裁判所の決定によって決められた借金の一部を3年かけて分割返済することで、残額の返済が免除される手続きです。

個人再生を利用できるときには、借金が大幅に減額(免除)されることもあります。

上手に利用すれば、多額の借金を抱えた場合でも自己破産せずに借金を整理できます。

契約社員でも個人再生を利用できる

個人再生は、「継続的に又は反復して収入を得る見込み」のある人だけが利用できます(民事再生法221条1項)。

そのため、契約打ち切りの可能性のある契約社員は、「個人再生を利用できない」と思い込んでいる人もいるかもしれません。

しかし、返済期間中に「契約が打ち切れ無職となることが明らか」な場合を除いては、契約社員であっても個人再生を申し立てることができます。

個人再生は、「毎月の返済額を捻出できる収入の見込み」があれば、アルバイトであっても申し立てることが可能だからです。

個人再生したときの返済額の決まり方

個人再生を利用したときに返済すべき借金の金額は、民事再生法という法律の基準に基づいてあらかじめ算出することができます。

個人再生では、次の3つの基準によって算出された金額から最も高い金額を3年かけて返済しなければなりません(3年の返済が完了すると残った借金の返済義務が免責されます)。

  • 法律が定める「最低弁済基準額」(借金額に応じて決まる)
  • 自己破産したときに債権者に対して配当されることが見込まれる金額(清算価値)
  • 法定可処分所得の2年分の金額(給与所得者等再生の場合のみ適用)

最低弁済基準額は、下の表のとおりです。

基準となる借金は、個人再生によって減額対象となる借金に限られます。

住宅ローンや自動車ローンといった担保を提供した借金や、公租公課の滞納分、申立て半年前までの公共料金などは、再生計画とは別に返済しなければならないので、この基準額には含まれません。

契約社員の人であれば無担保の借金が500万円を超えることは珍しいでしょうから、最低弁済基準額は100万円(毎月あたり27,000円)となることがほとんどといえます。

ただし、個人再生の時に高額な資産を保有している場合などには、100万円を超える金額を支払わなければならない可能性があります。

個人再生では、自己破産したときよりも多い金額を返済する必要があるからです。

つまり、自己破産すると差押えの対象となる財産(価値が20万円を超える財産)が100万円を超えるときには、所有する財産の評価額を3年かけて返済しなければならないのです(清算価値保障の原則)。

なお、「法定可処分所得の2年分」という基準は、「給与所得者等再生」という個人再生を申し立てた場合にのみ適用される基準です。

個人再生のほとんどは「小規模個人再生」で申し立てられます。

しかし、小規模個人再生は、債権者の多数(過半数かつ債権額の1/2以上)の反対があると認められません。

他方、給与所得者等再生は債権者の同意が不要なので、債権者との関係が悪化している場合に利用される手続きです。

給与所得者等再生の場合には、3つの基準のうち「法定可処分所得の2年分」の金額が最も金額となる場合が多いです。

計画返済中に雇い止めにあってしまったときはどうしたらよいか

契約社員の人が個人再生したときには、計画返済(3年の分割返済)中に「契約打ち切り」で減収・無収入となってしまうこともあり得ます。

契約打ち切りが明らかになったときには、裁判所に「再生計画の変更」を申し立てることで対応します。

個人再生では、やむを得ない事情によって計画返済が著しく困難になったときには、「再生計画で定められた債務の期限を延長」できます(民事再生法234条前段・244条)。

延長期間は最大で2年です。

計画返済を怠ると、個人再生の認可が取り消しとなってしまいます。

認可取り消しになれば、借金減額などの効果がすべて消滅してしまいます(個人再生前の状態に戻る)。

計画再生期間中の契約打ち切りが決まったときには、速やかに、個人再生を依頼した弁護士に報告し対応しましょう。

なお、個人再生には「ハードシップ免責」という計画返済の途中で残りの返済を免除する仕組みも用意されています。

しかし、ハードシップ免責が適用されるのは、「すでに計画返済の3/4以上・清算価値以上の金額を返済済み」で、かつ、「重度の傷病・交通事故の後遺症などを理由に今後の就業が不可能」な場合に限定されます。

勤務先の倒産や契約打ち切りでは「ハードシップは認められない」というのが一般的な理解です。

任意整理・個人再生共に難しいときには自己破産

任意整理も個人再生も難しいときには、自己破産で返済義務のすべてを免除してもらうほかありません。

返せないことが明らかな借金を解決せずに放置していても、借金がふくらんでいくだけだからです。

テレビやマンガなどでは「夜逃げ」、「消滅時効」で借金を踏み倒すシーンが描かれることがあります。

しかし、実際に夜逃げ・消滅時効で借金から逃れることは簡単ではありません。

自己破産しても勤務先に知られるリスクは高くない

「自己破産をすると勤務先に知られて雇い止めの原因になりかねない」ことを心配する人も多いと思います。

しかし、自己破産をしたことを勤務先に知られるリスクは決して高くありません(ゼロではありません)。

自己破産すると、「氏名・住所・自己破産したこと」が官報に掲載されます。

しかし、一般的な企業や一般の人が官報を定期的に確認していることは、まずありません。

また、たまたま官報をみていたとしても、全国の裁判所からの告知が多数掲載されているなかで、特定人の自己破産の公告を見つけ出すことは簡単な作業ではありません。

また、自己破産しても、ほとんどの職業には影響がありません。

自己破産による資格制限・就業制限は一部の職に限られているからです。

しかし、金融業・警備業・建設業・宅地建物取引業・旅行業などの業種で働いている契約社員の場合には、注意が必要です。

特に警備業は、破産者は仕事に従事することさえ認められていないため、自己破産する際には勤務先への報告・相談が必須といえます。

自己破産してもすべての財産を失うわけではない

自己破産の最大のデメリットは、財産を失うことです。

自己破産は、債務者の財産を強制的に換価(売却)して、その代金を債権者に配当するための手続きだからです。

しかし、自己破産したからといって、本当にすべての財産を失うわけではありません。

自己破産しても、生活していくために必要な財産(99万円までの現金、20万円以下の預貯金、家具・家電など)は、差し押さえられません。

また、自己破産しても将来の年金受給権や選挙権(被選挙権)を喪失することはありません。

借金に問題があると自己破産できない場合もある

問題のある借金があるときには、自己破産できない場合があることに注意が必要です。

たとえば、借りてから全く返してない借金があるときに自己破産すると「詐欺破産」となるため、自己破産が認められません。

自転車操業を繰り返した上で自己破産を検討するときには「借りて間もない借金」があることも少なくありません。

この場合には、詐欺破産とならない程度まで返済をしてから自己破産するほかありません。

また、「浪費やギャンブルなどで多額の借金を抱えた場合」や「クレジットカードの現金化による借金があるとき」にも注意が必要です。

これらの借金があると、免責不許可となる可能性があるからです。

しかし、免責不許可事由があるときでも、その後の対応をきちんとしていれば、裁判所の裁量で免責を認めてもらえる可能性が高いです(これとは逆に、自己破産申立後も問題のある行為がやめられなければ、免責不許可となる可能性が高いです)。

なお、免責不許可事由がある自己破産申立ての場合には、債務者の財産の有無とは関係なく「管財事件」として処理されます。

裁量免責を与えるためには、破産管財人を選任し、免責許可について必要な調査をさせなければならないからです。

そのため、免責不許可事由がある場合には、同時廃止となる場合(数万円程度)に比べて高額な費用(20万円以上)が必要となります。

「契約社員の債務整理」のまとめ

契約社員は、契約期間の通算が5年になると「無期労働契約」に切り替えることができます。

せっかくつかみかけた正社員への道は、失いたくないものです。

たしかに、「多額の借金がある」、「債務整理をした」ということは、契約更新の際にネガティブな要素になる可能性は否定できません。

しかし、返せなくなった借金を放置していても、借金で困っていることは勤務先に知られてしまうことがあります。

借金の返済を延滞し、債権者からの連絡を無視すれば、勤務先に電話されることもあります。

また、自転車操業を繰り返せば、度重なる在籍確認の電話から「この人は多額の借金があるのではないか」と疑われる可能性も否定できません。

「借金の返済を無視している」、「借金を繰り返し何度もしている」ということの方が、より大きな減点材料となる可能性も否定できません。

いまでは、多くの弁護士・司法書士事務所で借金・債務整理の無料相談を受けることができます。

借金問題は早期に対応すれば、誰にも知られずに、デメリットも最小限で解決することが可能です。

借金の返済が苦しいと感じたときには、できるだけ早く、弁護士・司法書士に相談するようにしましょう。

債務整理はアヴァンス法務事務所にお任せ!

借金問題は相談がしにくいため、自分1人だけで抱え込んでしまう方は非常に多いです。
でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。

借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
取り返しのつかなくなる前に、1日も早く相談を行い借金に苦しまない新しい生活をスタートしましょう。


アヴァンス法務事務所では、全国から債務整理案件を受託しております。
借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

アヴァンス法務事務所の無料相談はこちらです。