「個人事業主として仕事をしていて、事業がうまくいかずに借金が増えてしまった」
「今の仕事は続けたいけど、債務整理をするとどうなっちゃうのかな…できなくなるのか」
個人事業主の方が借金をしたときに債務整理をする際には、特に仕事をつづけることができるかどうかについての心配があります。
結論から言いますと、個人事業主でも債務整理をすることは可能です。
このページでは個人事業主の債務整理についてお伝えします。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
個人事業主の債務整理の注意点
個人事業主が債務整理をする際の注意点を見てみましょう。
夜逃げは絶対に借金問題解決にならない理由を知っておこう
「借金っていずれ時効にかかるって聞いたので、時効にかかるまで夜逃げすればいいじゃないだろうか」
中にはこのように考えている方もいるかと思います。
まず知っておいていただきたいのは、夜逃げは借金問題解決にならない事を知っておきましょう。
確かに貸金業者からの借金は、最後に支払いをしてから5年で時効にかかるという規定はあります。
しかし、その5年の間に貸金業者から何もできないとというわけではなく、時効の完成を猶予し、5年の期間を更新するということが可能です。
その最も利用される方法は、債務者に対して裁判を起こすものですが、債務者が夜逃げなどして行方不明であるような場合には、欠席裁判をするための仕組みがあります。
最近は貸金業者も債権管理をしっかりして、時効完成をさせないようにしているので、債権が時効で消滅する可能性は極めて低いのです。
さらに、普通の引っ越しであれば、住民票をうつすのですが、夜逃げですと住所を知られないために住民票をうつすことができません。
そうすると、健康保険証を取得することができなくなる、夜逃げ先で仕事につくために住所を申告するための書類を提出することができない、といった事が発生します。
以上より、現在では夜逃げは不可能となっていますので、きちんと債務整理をするべきといえます。
債務整理の3つのパターンについて解説
「債務整理ってよく聞くんだけどどんな手続きなのかいまいちピンとこないなぁ…」
債務整理というのは主に後述する3つの手続きのどれかを使って借金などの債務を楽にするものです。
概要を見てみましょう。
任意整理とは
任意整理は私的整理ともいわれ、貸金業者と交渉をして借金の支払い条件を緩和してもらい、完済しやすくするようにしてもらうものです。
後述する自己破産・個人再生は法律に基づいて一律の手続きを行うものであるのに対して、任意整理はそれぞれの貸金業者と交渉を行うものである点に特徴があります。
貸金業者から借金をすると、当然ですが利息をつけて返済をしなければなりません。
また、返済が遅れると遅延損害金の支払いも必要となります。
任意整理は基本的には借金の元本を、利息・遅延損害金をつけない形で36回分割にして支払っていくものです。
そのため、手続き後は元金のみの支払いになり、借金返済が非常に楽になるのです。
この手続きのメリットは、貸金業者と個別に交渉をするものになるので、例えば連帯保証人がついているような債務や、担保がついているような債務があって、債務整理をすることによって影響が生じる相手は、従来どおり払っていくという事も可能であることです。
自己破産・個人再生はすべての債権者に手続きに参加してもらう必要があるものになるので、一番自由な債務整理方法であるといえます。
自己破産とは
自己破産とは、破産法という法律に基づいて行われる手続きで、借金・買掛金などすべての債務を免除してもらうことができるものです。
手続は、裁判所に申し立てをして行うことになります。
借金返済を免除してもらえるので、借金問題から最短で開放される手続きであるといえます。
任意整理は、上述したように元本を36回の分割で支払っていくものです。
借金の元本額が30万円ある会社には、毎月約8,400円の支払いをしていくことになります。
これが5社から借り入れをしているような場合には、毎月約42,000円の支払いをしていくことになります。
この支払ができない場合には、破産法が規定する「支払不能」という状態と認定され、破産手続きをすることが妥当といえるのです。
自己破産手続きでは、資産に該当するものを売却してお金にかえ、債権者に配当を行います。
配当して残った債権については免責をすることになり、借金返済義務から免れることになります。
個人再生とは
個人再生とは、民事再生法所定の手続きによって、借金を定められた額に減らしてもらった上で、減らした額を3年で返済していくことになります。
たとえば、借金の額が500万円であるような場合には100万円に減らしてもらって、分割弁済をしていきます。
個人再生は、任意整理で必要な支払いはできないけど、自己破産は事情によりできない、という場合に利用されます。
一つは、住宅ローンで自宅を購入している場合です。
この場合自己破産をすると、住宅ローン債権者は抵当権を実行して、住宅を競売します。
その結果自宅を追い出されることになります。
個人再生を利用すれば、住宅ローン特別条項を利用して、住宅ローンだけを手続きから外して、従来どおり支払っていくことが可能になるので、住宅を維持できます。
もう一つは、資格を利用して仕事をしている場合です。
不動産会社の営業・警備員になるには、資格の登録が必要ですが、自己破産者であると登録ができなくなります。
このような場合でも個人再生であれば、自己破産をするわけではないので仕事を続けることが可能です。
最後に、精算されてはいけない財産があるような場合です。
自己破産の場合には、個人資産で生活に必要最小限のもの以外は清算されてお金に換えられ、債権者に配当されます。
たとえば個人事業主で軽トラックが必要不可欠である、といった場合でも、精算されてしまう可能性があるのです。
個人再生では、弁済する金額に影響する可能性はありますが、精算をしないで債務整理を進めることができます。
個人事業主が仕事を続けるためには任意整理か個人再生
「債務整理の方法が3つあるのはわかったんだけど個人事業主が仕事をつづけるためにはどのような方法を採るのがいいの?」
個人事業主が仕事を続けるにはどの方法がいいのでしょうか。
事業に必要な資産があるような場合には自己破産はできない
事業に必要な資産があり、自己破産手続きでは精算される可能性があるものを持っている場合には、自己破産をすると仕事をつづけられません。
このような場合には、任意整理・個人再生を検討しましょう。
ただし、任意整理・個人再生では返済をすることが前提となるので、個人事業主はつづけたいけど返済できるような収入がない…というような場合には、個人事業の継続を諦めることも検討すべきといえます。
借金の内容によって個人再生・任意整理を選ぼう
個人再生と任意整理はどちらがよいのかは、借金の内容によります。
債権者に連帯保証人がついてるものがいて、知り合いの個人事業主・会社の社長に連帯保証をしてもらっているような場合、債務整理によって関係が継続できなくなるような場合もあります。
このような場合には、その債権者を外すために、任意整理を利用するのが妥当です。
個人再生・任意整理どちらの場合も、事業に必要な資産の維持は問題なくできます。
自己破産手続きをする場合には少額管財となる
なお、事業継続を断念するような場合には自己破産になるのですが、この場合自己破産の中でも少額管財という手続きになります。
自己破産には、簡単に終わる同時廃止と管財人がつく正式な手続きである少額管財という手続きの2種類があります。
サラリーマンであれば収入・支出が明確であるため、同時廃止という簡単な手続きで終了することも可能です。
しかし、個人事業主の場合には、入出金や資産についての精密な調査を行う必要があるため、少額管財となる運用がされています。
そのため、管財人が必ず選任されるので、東京地方裁判所管轄で20万円の引継予納金が発生するので注意が必要です。
個人事業主が個人再生を利用する場合には小規模個人再生となる
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生という二種類があります。
給与所得者等再生はその名のとおり安定した給与所得のような収入がある場合に限られますので、個人事業主が個人再生を利用する場合には小規模個人再生という手続きになります。
ただ、この違いは債務整理を依頼する方はあまり気にする必要はなく、手続を引き受ける弁護士・司法書士が気にすることです。
過去に債務整理を行っていても、個人事業主として開業できる?
「将来的には独立して個人事業主になりたいんだけど、債務整理をしてもできる?」
「債務整理をすると就けない職業があるって聞いたんだけど…」
個人事業主になる事自体については、債務整理を行った事を原因になることができないとする規定はありません。
ただ、不動産屋や司法書士・行政書士など、個人事業主になるにあたって資格が必要なもので、登録にあたって「破産者」は登録できないものについては、「破産者」である間はできません。
「破産者」となるのは、破産手続開始決定から復権までの間の期間となっています。
個人事業主が借金をする理由3選
そもそも、個人事業主が借金をする原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
個人事業主は職種によっては付き合いが多い
職種にもよるのですが、人のつながりが重要な職種の方は、つながりを維持するためのつきあいが仕事の一部となっております。
仕事仲間と知り合いが経営をしている居酒屋に飲みに行く、月に1度は地元の会合に出席する、仕事仲間の親族が亡くなったので葬儀に参列する、といったものの範囲が非常に広いのです。
付き合いが多いということはその分出費も増えるという事に。
後述するように収入に波があることもよくあるので、収入が少ない時には借り入れをしてでも参加するといった事もよくあります。
収入に波がある個人事業主は資金ショートを起こしやすい
個人事業主はサラリーマンのように毎月定期的に決まった収入があるわけではありません。
そのため、見込んでいた収入が得られなくなってしまって…という事もよく起こります。
自転車操業が常態化しているような場合には、借り入れができなくなってしまうと資金ショートを起こしてしまう…という方も多いです。
個人事業主相互に連帯保証になっているような場合がある
上記のように個人事業主はサラリーマンに比べて返済に対する安定性があるわけではありません。
そのため、債務の支払いに不安を覚えた場合には、連帯保証人をつけてもらうことがよくあります。
いくら自分の経営が順調であったとしても、連帯保証をしていたものの請求を受けることになって、それが原因で連鎖倒産という事態も起こりやすいのです。
まとめ
このページでは個人事業主の債務整理についてお伝えしてきました。
個人事業主の債務整理については、自己破産をすると事業に必要な資産を清算される可能性がある、という点と、連帯保証がついている債務があることが多い、という点を考慮すべきといえます。
どのような手続きが適切かは弁護士・司法書士といった債務整理の専門家と相談しながら行うようにしましょう。
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でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
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