タクシー運転手が債務整理するとどうなる?任意整理・過払い請求・個人再生・自己破産4つの注意点

タクシー運転手は歩合給のことが多く、収入が不安定なのが難点ですよね。

生活費を補うために借入をしたけれど、返済が困難になり、債務整理を考えているタクシー運転手の方もいるのではないでしょうか?

本記事では、タクシー運転手が債務整理する場合に絞って、注意しておきたいポイントを4つご紹介します。

債務整理を成功させ、借金の悩みをなくすために、ぜひ覚えておいてください。

また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。

『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』

『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』

このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

タクシー運転手が債務整理するならETCカードに注意

タクシー運転手が仕事をする上では、ETCカードは必須でしょう。

タクシー運転手の債務整理でまず気を付けておきたいことは、ETCカードが使えなくなる可能性です。

債務整理するとETCカードが使えなくなる可能性大

債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産という4つの方法がありますが、どの方法で債務整理しても、高い確率でETCカードが使えなくなります。

会社に雇われているタクシー運転手でも、ETCカードは自分名義ということがありますから、十分注意が必要です。

ちなみに、ETCカードはクレジットカードの付帯カードとしてのみ発行してもらえます。

任意整理と特定調停では整理する借入先を選べるので、ETCカードが付帯しているクレジットカード会社を選ばなければ、ETCカードを残せると思うかもしれません。

しかし、クレジット会社やローン会社は、「途上与信」と言って、定期的に利用者の信用情報を照会しています。

1社で債務整理した情報は、他の借入先にもわかってしまうということです。

他社で債務整理したことがわかれば、カードは解約になってしまう可能性があります。

ETCパーソナルカードを用意しておく

タクシー運転手は、債務整理をする前に、ETCパーソナルカードを申し込んでおくのがおすすめです。

ETCパーソナルカードは、保証金(デポジット)を預託して利用できるETCカードになります。

クレジットカードの発行を受けられない人でも、ETCパーソナルカードなら持つことができます。


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債務整理により車を手ばなさなければならないことがある

個人タクシーの場合、車は通常自分名義でしょう。

債務整理をすれば、車を処分しなければならない可能性があります。

タクシー運転手が自己破産を選べば車を残せない

債務整理で自分名義の車を必ず処分しなければならないのは、自己破産を選んだ場合です。

自己破産では、借金を全額免除してもらえます。

かわりに、持っている財産は処分して借金の返済にあてなければなりません。

車も原則的に処分しなければならないということです。

なお、ローン支払中の車は、所有権留保という方法で担保設定されていることがあります。

所有権留保とは、ローン完済まで、車をカーディーラーやクレジット会社名義のままにしておく方法です。

車が所有権留保されている場合には、そもそも自分の車ではないので、処分の対象にはなりません。

しかし、債権者によって車を引き上げられてしまいますから、結局車を手ばなす必要があります。

個人再生ならローン支払済みの車は残せる

個人タクシー運転手が債務整理する場合には、自己破産よりも個人再生がおすすめです。

個人再生の場合には、代金を完済している車は処分されません。

また、ローン支払中でも、所有権留保されていない車は、残すことができます。

任意整理や特定調停を選べば車は関係ない

任意整理や特定調停では、持っている財産を処分する必要はないので、車を残すことが可能です。

車のローンが残っている場合でも、他の借金だけを整理することができます。

なお、車のローンは比較的高金利です。

車を引き上げられないために車のローンを整理の対象から外すと、債務整理後も支払いの負担が軽くならないことがあります。

債務整理後の支払いの目途を立てるためには、専門家に相談し、早めに債務整理にとりかかることが大切です。

同じタクシー運転手でも個人再生では選べる方法が変わってくる

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生がある

個人再生は、2つの種類に分かれます。1つは「小規模個人再生」で、もう1つは「給与所得者等再生」です。

小規模個人再生は、主に小規模な個人事業者を対象としたものです。

一方、給与所得者等再生は会社員などのサラリーマンを対象としたものになります。

個人再生を申し立てるときには、どちらかを選ばなければなりません。

個人再生は小規模個人再生が原則的な方法で、給与所得者等再生は特則です。

給与所得者等再生の要件をみたしていれば、同時に小規模個人再生の要件もみたします。

つまり、サラリーマンは通常はどちらの種類を選ぶことも可能です。

どちらの個人再生を選ぶかは勤務形態や給与形態から考える

個人タクシー運転手の場合には、通常は小規模個人再生を選ぶことになります。

給与所得者等再生を利用するには給与などの定期的な収入が必要ですが、個人タクシー運転手は給与をもらっているわけではないからです。

なお、会社員は小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらも選べるのが通常ですが、会社に雇われているタクシー運転手は、給与所得者等再生が選べないことがあります。

タクシー運転手は歩合給のことが多く、この場合には給与所得者等再生の要件をみたさないからです。

継続した収入がなければ個人再生は困難

個人再生は、負債総額が5,000万円以下で、働いている人が利用できる債務整理方法です。

しかし、タクシー運転手として働いていて、借金も5,000万円以下なら、必ず個人再生ができるとは限りません。

タクシー運転手として収入があるけれど、全く安定していない場合には、個人再生自体ができない可能性があります。

個人再生をするには、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」が必要です。

毎月それなりに収入があれば個人再生ができますが、収入のある月もあればない月もあるようなら、個人再生は困難です。

継続して収入が得られる見込みがない場合には、借金を返済できる見通しも立ちません。

この場合には個人再生はできませんから、自己破産を検討せざるを得ないことになります。

債務整理しても個人タクシーの運営は可能

タクシー運転手が債務整理をした場合、仕事への影響があるのかも気になります。

債務整理により、タクシー運転手の仕事が制限されるのかを知っておきましょう。

タクシー運転手は自己破産しても欠格事由にならない

債務整理のうち、手続きすることで職業上の制限を受けることになるのは、自己破産です。

自己破産した場合、次のような職業に就いている人は、一定期間その職業に就けないことになっています。

【自己破産で制限を受ける職業の例】
弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士、弁理士、土地家屋調査士、社会保険労務士、宅地建物取引士、生命保険募集人、損害保険代理店、旅行業者、貸金業者、証券会社の外交員、教育委員会委員、質屋など

タクシー運転手は、自己破産により制限を受ける職種ではありません。

自己破産しても、これまで通り仕事を続けることができます。

個人タクシーの事業許可にも影響はない

個人タクシー事業を行うには、運輸局に申請し、許可を受ける必要があります。

自己破産をすれば、事業許可が取り消されてしまうのではないかと心配になるでしょう。

個人タクシー事業者が自己破産しても、受けている許可には影響がありません。

通常の個人タクシーの要件をみたしていれば、個人タクシー事業を続けることができます。

まとめ

タクシー運転手が債務整理する場合には、ETCカードが使えなくなる可能性や、車を引き上げられてしまう可能性を考慮しておく必要があります。

債務整理をしても、タクシー運転手をやめる必要はありません。

しかし、債務整理後もタクシー運転手を続けるのであれば、できるだけ仕事に影響の出ない方法を選ぶようにしましょう。

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