今回は「法テラスに費用を立て替えてもらって債務整理しよう」と考えている人に知っておいてもらいたい8つのポイントについて解説します。
法テラスが行っている「民事法律扶助」は、低収入で生活が苦しい人が法サービスを利用する際の費用を立替払いしてくれる公的支援です。
借金問題と貧困問題は密接な関係があります。
収入が少ないために、借金地獄からなかなか抜け出せないだけでなく、「収入が少ないから債務整理もできない」と諦めている人も多いと思います。
しかし、収入が乏しくても「債務整理で生活を建て直す」ことを諦める必要はありません。
法テラスを利用すれば、毎月5,000円ずつの返済で、借金生活から抜け出すことができます。
法テラスの利用方法は、申込者が直接法テラスに申し込む方法だけではありません。
債務整理の場面では、法テラスに直接申し込んだ方が、債務者にとって不利になることが少なくありません。
法テラスを利用して債務整理しようと考えている人は、この記事の解説を参考に、上手に法テラスを利用してください。
また、『借金の元金が1年以上減っていないどころか増えている。』
『心のなかでは今の状態で借金を完済するのは不可能だと分かっている。』
このような状態にまで陥っている場合、その借金問題を解決できる可能性はまずありません。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
法テラスは「収入の(少)ない人」の強い味方
法テラスでは、基幹業務である「情報提供魚無」のほかにもさまざまな事業を行っています。
債務整理との関係では、「民事法律扶助」がよく利用されています。
「民事法律扶助」は、低所得者が債務整理(などの法サービス)を利用するときにかかる費用を立て替えてくれる公的サービスです。
民事法律扶助を利用するための資力基準
民事法律扶助は、誰でも利用できるというわけではありません。
経済的に困窮している人のみが民事法律扶助を利用することができます。
民事法律扶助を利用できる状況にあるかどうかは、「資力基準」と「資産基準」の2つの基準から判断されます。
「資力基準」については、世帯の手取り月収が下記の金額よりも少ないことが条件となります。
東京23区や大阪のような生活物価の高い地域(生活保護1級地)で生活している人の場合には、( )の金額が適用され、要件が緩和されています。
世帯人数 | 手取月収の基準額
|
家賃または住宅ローンを負担している場合に加算できる金額 |
1人 | 182,000円
(202,000円) |
41,000円
(53,000円) |
2人 | 251,000円
(276,100円) |
53,000円
(68,000円) |
3人 | 272,000円
(299,200円) |
66,000円
(85,000円) |
4人 | 299,000円
(328,900円) |
71,000円
(92,000円) |
たとえば、子供2人を養っているシングルマザーの場合には、手取り月収が272,000円以下(賃貸住宅に住んでいる場合には、手取り月収338,000円以下)であれば、民事法律扶助を利用できます。
「資産要件」は、民事法律扶助を申し込む者とその配偶者が所有している不動産や預貯金・現金などの財産の合計額で判定されます。
民事法律扶助を利用するには、収入要件をクリアした上で、所有財産が下記表の金額よりも少ない必要があります。
世帯人数 | 資産基準の額 |
1人 | 180万円 |
2人 | 250万円 |
3人 | 270万円 |
4人以上 | 300万円 |
民事法律扶助の利用可否については、法テラスのウェブサイトでシミュレートすることもできます。
・「要件確認体験ページ」(法テラスウェブサイト)
要件を満たしていても民事法律扶助が使えない場合に注意
「債務整理が成功する見込みがない」ときには、資力要件・資産要件をクリアしていても民事法律扶助を利用することができません。
債務整理が失敗するとは、次の場合のことを差します。
・任意整理において和解成立の見込みがない
・個人再生において再生計画が認可される見込みがない
・自己破産の申立てをしても棄却される
・自己破産しても免責される見込みがない
任意整理については、最後は交渉次第なので「成功の見込みがない」と断定できる場面は、対象の借金のすべてを全く返していないケースを除けば、少ないと思います。
自己破産についても、免責不許可事由のどれかに該当する程度では、「成功の見込みがない」とは判断されません。
免責不許可事由に該当していても「裁量免責」を得られる可能性があるからです。
しかし、自己破産の場合も、任意整理と同様に、「全く返していない借金」があるときには、詐欺破産となるため成功の見込みがありません。
個人再生については少し注意が必要です。
借金返済に行き詰まっている人には、社会保険や税金を滞納している人も少なくありません。
公租公課を滞納していると、個人再生は認可されない可能性がかなり高くなります。
そのため、年金などを長期間滞納しているときには、民事法律扶助が使えない可能性はあるでしょう。
年金については、過去の延滞分も免除してもらえる制度があります。
下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
立て替えてもらった費用の返済方法
法テラスに立て替えてもらった債務整理の費用(裁判所に納める費用および弁護士・司法書士に支払う報酬)は、立替払いをしてもらった2ヶ月後から分割で返還します。
毎月の返済額は、「1万円」が基本です。
ただし、生活に余裕がないときには、「毎月5,000円ずつ」に減額してもらうことができます。
毎月5,000円ずつの支払いであれば、対応できる人はかなり多いのではないでしょうか。
返済方法は、原則として「口座引き落とし」です。
生活がとても苦しい人には返済免除・猶予の制度を使える
手取り月収が「収入基準の7割以下」で、「所有する財産によって返済できない合理的な理由がある」ときには、毎月の返済を猶予してもらうことができます。
たとえば、上の例(シングルマザー+子2人)の場合であれば、「手取り月収が236,600円以下」で、「子供の学校にかかる費用のために貯金を取り崩せない」などの状況にあれば、毎月の返済を猶予してもらえます。
また、ケガ・病気・高齢などが理由で「収入が回復する見込みがない」ときには、返済を免除してもらえます。
たとえば、上のシングルマザーのケースでも、下の子が0歳で預けられる保育園も空きがなく数年間はフルタイムで働けない(手取り月収が236,600円以上になる見込みがない)ときには、免除となる可能性があります。
生活保護を受給していれば、返済は全額免除
法テラスを利用して債務整理した場合には、債務整理終了の時点で「生活保護を受給」していれば、立替費用の返還が免除されます。
民事法律扶助の契約をした時点では受給していなくても、「事件終了時」に受給知れば免除されます。
しかし、この逆の場合(契約時は受給していたが終了時は受給していないとき)には、立替金の返還は免除されないので注意が必要です。
なお、生活保護と債務整理については、下記の記事で詳しく解説しています。
法テラスの案件を担当する2種類の弁護士(司法書士)
法テラスの事件を担当する弁護士には、「スタッフ弁護士」と呼ばれる弁護士と、「契約弁護士」と呼ばれる弁護士の2種類が存在します。
スタッフ弁護士
「スタッフ弁護士」とは法テラスに常駐している勤務弁護士のことをいいます。
それぞれの地域事務所には必ずスタッフ弁護士が所属しています。
ただし、スタッフ弁護士には、司法修習を終えたばかりの若い弁護士が多い傾向があります。
最近では、法テラスのスタッフ弁護士として修行してから独立するという弁護士も多いのです。
契約弁護士(司法書士)
契約弁護士とは、それぞれが別の事務所に所属しながら、法テラスの仕事も引き受けるという弁護士(司法書士)のことです。
法テラスには数多くの案件が持ち込まれます。
そのためスタッフ弁護士だけでは事件を受任しきれない場合があります。
そのような場合には、法テラスとあらかじめ契約を結んでいる弁護士(司法書士)に業務を依頼します。
なお、民事法律扶助を用いて司法書士に依頼したいときには、契約司法書士に依頼することになります。
法テラスの地方事務所のウェブサイトでは、契約弁護士・司法書士の名簿を公開しているところもあります。
【参考】契約弁護士・司法書士名簿一覧(法テラス埼玉ウェブサイト)
なお、東京事務所の場合は、契約弁護士・司法書士の名簿はウェブで公開されていません。
これは、契約弁護士・司法書士がいないのではなく、東京には法テラスの事務所が多いこと(スタッフ弁護士も多いこと)、契約弁護士・司法書士もかなり多いことが理由ではないかと思われます。
債務整理を受任してくれる事務所のほとんどは、法テラスと契約していると思って大丈夫でしょう。
スタッフ弁護士と契約弁護士のどちらに依頼すべきか?
「法テラス(民事法律扶助)を利用するのだから、法テラスに直接申し込んだ方が良い」、「契約弁護士(司法書士)を探すのが面倒だ」と考えている人は多いかもしれません。
しかし、民事法律扶助を利用する場合でも、法テラスに直接申し込むのではなく、自分で見つけた弁護士(司法書士)から民事法律扶助を申し込んでもらった方が良い場合が少なくありません。
法テラスに直接申し込むと受任まで時間がかかる。
債務整理を確実に成功させるためには、「早く対応する」ことが何よりも大切です。
特に、「債権者からの取立て(電話)」が精神的な負担となっているときには、1日も早く解放されたいと考えている人も多いと思います。
債権者からの取立ては、弁護士・司法書士に債務整理を依頼し債権者のところへ「受任通知」が送付されることでピタっととまります。
弁護士・司法書士を立てて債務整理に着手した債務者に債権者が直接連絡することは、法律や監督官庁のガイドラインが禁止しているからです。
しかし、法テラスに直接申込みをすると、資力要件・資産要件の審査が済むまで、弁護士に受任してもらうことができません。
審査には、2週間から2ヶ月程度かかるといわれています。
審査が終わっても、スタッフ弁護士の手持ち事件が一杯で契約弁護士(司法書士)をあっせんするときには、さらに時間がかかることもあります。
他方で、契約弁護士から民事法律扶助の利用を持ち込んでもらったとき(実務では「持ち込み方式」とよんでいます)には、即座に受任通知を送付してもらえます。
依頼を受けた弁護士(司法書士)は、「審査に通る」と判断しているからこそ法テラスに持ち込んでいるので、すぐに業務に着手しても問題(報酬のとりっぱくれ)がないからです。
「1日も早く」取立てや返済日から解放されたいと考えている人こそ、自分自身で弁護士を見つけるべきといえます。
直接申込みでは誰が担当するかわからない
法テラスに直接申し込んだ場合には、どの弁護士(司法書士)が受任するかは、法テラスとその弁護士との間で決められます。
つまり、法テラス地方事務所ウェブサイトで紹介されている「〇〇弁護士にお願いしたい」ということはできないということです。
債務整理を成功させるためには、「弁護士(司法書士)との信頼関係」がとても大切です。
債務者にとって体裁の悪いことや、できれば言いたくないことも正直に伝える必要もあります。
また、個人再生・自己破産では、共同で書面を作成しなければならないこともあるでしょう。
したがって、債務整理を依頼する弁護士(司法書士)は、「自分の目」で確かめて、「この人となら」と信じることのできる人を自分自身で選ぶことが基本といえます。
「持ち込み方式」であれば、依頼の前に必ず相談を受けるので、その弁護士(司法書士)が自分の求めている人であるかどうかを直接判断することができます。
なお、近年では、依頼人と直接面談することなく債務整理を受任する弁護士(司法書士)も少なからず存在します。
弁護士(司法書士)自身が依頼人と直接面談することなく、債務整理を受任することは、業界団体(日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会)の内部ルールに違反する行為です。
「電話1本、メール1通で即契約」という弁護士(司法書士)は、個人的にはあまりおすすめできません。
一般の事務所も「無料」で相談を受けられる
自分で弁護士を見つけるにも「相談料を払えない」と思っている人は多いでしょう。
しかし、債務整理の相談であれば、相談費用の心配はいりません。
いまでは、債務整理を受任している弁護士・司法書士事務所のほとんどが「無料」で相談をうけてくれるからです。
したがって、気軽に、自分が納得できる弁護士・司法書士を探すことができます。
また、案件によっては、民事法律扶助を用いるよりも安い費用で債務整理のできる事務所も見つかるかもしれません。
民事法律扶助を利用したときには、法テラスがあらかじめ設定している報酬額となります(任意整理であれば1社32,400円、5社108,000円、実費別途)。
この金額は、現在の債務整理の報酬として高くはありませんが、安い金額でもありません。
いまでは、弁護士・司法書士費用は完全自由化となっているので、無料相談を上手に探せば、法テラスよりも安くて信用できる弁護士・司法書士に出会えるかもしれません。
なお、法テラスを利用せずに、通常通り依頼した場合でも、弁護士・司法書士費用は「分割払い」できる事務所がほとんどです。
一般の人が思っているほど、費用の心配はいらないといえるでしょう。
まとめ
借金の返済に苦しんでいる人のほとんどは、「債務整理したくてもその費用すらない」という状況にあると思います。
特に、シングルマザーや高齢者、非正規雇用の人の場合には、収入が少ないために「債務整理を諦めている」人もいるかもしれません。
法テラス(民事法律扶助)は、生活が苦しい人にとって強い味方となる公的支援です。
上手に利用して、債務整理を確実に成功させ、借金生活から1日も早く解放されましょう。
債務整理はアヴァンス法務事務所にお任せ!
でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
取り返しのつかなくなる前に、1日も早く相談を行い借金に苦しまない新しい生活をスタートしましょう。
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