今回は、彼氏(彼女)の借金が心配という人に知っておいてもらいたい8つのポイントについて解説します。
付き合っている人に多額の借金があると、やはり気になります。
特に、結婚を意識している相手であれば、
「このまま結婚して大丈夫なのか」
「恋人が債務整理したら私にも悪影響が及ぶのではないか」
「債務整理したことは将来生まれる子どもにもマイナスにならないか」
とさまざまなことが心配になるのではないかと思います。
しかし、債務整理のデメリットは、債務整理した本人だけに生じるものです。
また、債務整理すると生じるとされるデメリットも、すべてのデメリットがすべての場合に生じるわけでもありません。
特に、結婚前の若い人であれば、大きなデメリットもなく債務整理で借金を解決できる場合も少なくありません。
また、大切なことなので最初に結論からお伝えします。
『1年以上、借金の返済総額が減っていないor増えている。』
『このまま借金を完済するのは厳しいのは分かっているけど、利息だけ毎月支払うような状態が1年以上続いている。』
このような状態になっている方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
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それでは解説をしていきます。
彼氏の借金についてあなたが気をつけるべきこと
借金の悩みは辛いものです。
借金で苦しんでいる恋人を見ていれば何とか助けてあげたくなるものでしょう。
しかし、安易に借金を肩代わりしたり、恋人の借金の保証人になることは、逆効果になってしまう場合があります。
彼氏の「借金の保証人」になってはいけない
彼氏が借金で困っているときには、あなたに「保証人になってほしい」と頼むことがあるかもしれません。
しかし、絶対に彼氏の保証人になるべきではありません。
その理由は次のとおりです。
・借金の返済に行き詰まっている人にさらに借金させることは好ましくない
・一般の人がいう「保証人」とはほとんどの場合「連帯保証人」である
・連帯保証人になれば、「自分が借金した」のと同じ状態になる
そもそも返済の苦しい借金を抱えている彼氏にさらに借金をさせることは、好ましいことではありません。
また、法律を専門的に学んだことのない人が「保証人」といっているは、例外なく「連帯保証人」です。
保証人と連帯保証人は、言葉は似ていますが、負担の重さは全く異なります。
専門的にいえば、連帯保証人には、保証人に認められている「検索の抗弁権」と「催告の抗弁権」が認められません。
そのため、連帯保証人は、債権者から保証債務の支払いを求められたときに「まずは主たる債務者(の財産)から取り立てるべきだ」と反論することができないのです。
したがって、連帯保証人がいるときには、債権者は「主たる債務者である彼氏」と「連帯保証人となったあなた」のどちらにも借金の返済を迫ることができます。
つまり、連帯保証人になれば、「自分が借金したのと全く同じ状態」になります。
彼氏が自己破産などをすれば、当然連帯保証人であるあなたに借金の返済が請求されます。
他人の連帯保証人になるのは非常に危険な行為です。
「彼氏の代わりに借金を返そう」と考えるべきではない
大切な恋人が借金で苦しんでいる姿を見ると「わたしが代わりに返済してあげるべきではないか」と考えることもあるかもしれません。
しかし、基本的には「彼氏の借金を肩代わりする」のはやめた方がよいでしょう。
借金の問題は、自分自身で解決することがとても大切です。
自分で苦労せずに借金を解決してしまえば、これまでの生活を振り返る機会を失い、再度多額の借金を抱えてしまう原因にもなりかねません。
また、あなたが「彼氏の代わりに債務整理する」こともできません。
債務整理をすれば債務者本人には一定のデメリットが生じるので、他人が代わりに債務整理を行う(申し立てる)ことはできないのが原則です。
彼氏が債務整理したときのデメリット
借金を抱えている恋人との結婚を考えている人には、「彼氏が債務整理したら妻となる自分にも不利益なことがあるのではないか」と心配な人もいるかもしれません。
しかし、債務整理したことで生じるデメリットは、債務者本人にしか生じないのが原則です。
債務整理した彼氏と結婚しても「自分の信用情報」は傷つかない
「信用情報に傷が付く(ブラックリスト入りする)」ことは、債務整理すると必ず生じるデメリットです。
しかし、ブラックリスト入りするのは、債務整理した本人だけです。
債務整理した人の家族の信用情報は一切無関係です。
当然、ブラックリスト入りしている人と結婚したからといってブラックリスト入りすることもありません。
したがって、債務整理した彼氏と結婚したとしても、「新たに借金を組めなくなる」、「クレジットカードを作れなくなる」、「クレジットカードを解約される・更新できない」といったデメリットがあなたに生じることはありません。
債務整理したことは戸籍などに記録されない
債務整理(自己破産)をしても戸籍や住民票に記載されることはありません。
したがって、債務整理をした彼氏と結婚をしたことを、家族などに知られることもありません。
また、子どもの進路や就職に影響することもほとんどありません。
子どもが金融機関に就職を希望したときは、「同居の親」の信用情報から過去の債務整理を知られる可能性はゼロではないようです。
しかし、信用情報は、登録後5年から10年で消去されます。
逆に、早く債務整理することが、子どもの将来への不安を払拭するために大切です。
しばらくの間「彼氏名義のローン」を組むことができない
債務整理した彼氏は、5年から10年の間はブラックリスト入りすることになります。
したがって、少なくともこの間は、住宅ローンやカーローンなどを「彼氏名義」ですることはできません。
実際には、ブラック情報が消去されてすぐに多額のローンを組むことは難しいでしょう。
借金などの審査は、「ブラック情報があるかどうか」だけで決まるわけではないからです。
逆に、信用取引が全くない(クレジットカード等の利用が全くない)ことも、審査においてはマイナスとなるからです。
他方で、ブラックリスト入りを嫌がって債務整理をしない場合でも、「すでに多額の借金がある場合」や、「返済に延滞があるとき」には審査に通ることはありません。
結婚をすれば、マイホームの購入、ファミリーカーの購入などとローンを組む必要のある買い物をすることもあるでしょう。
「債務整理したらローンを組めない」と考えるのではなく、「将来のために1日も早く借金問題を片付ける」ことが大切です。
早く債務整理に着手すれば、ローンを組めるようになる日も早くやってくるからです。
債務整理したときに彼氏が失う財産
彼氏が借金解決のために自己破産したときには、一定の財産が差押えられてしまいます。
自己破産は、債務者が保有している財産を処分して債権者に配当するための手続きだからです。
しかし、自己破産したからといって「すべての財産」を失うわけではありません。
たとえば、次の財産は、自己破産しても差し押さえられずに、債務者の手元に残すことが認められています。
・99万円までの現金
・20万円以下の預貯金・有価証券・解約返戻金
・価値が20万円以下の動産
・生活に必要な家具や家電
・債務者が職業上必要な道具類など
なお、彼氏が自己破産したときには、彼氏の家などにおいてある(彼氏に貸している)あなたの財産が差し押さえられてしまう場合があります。
動産(家具や貴金属といった不動産・債権以外の財産)は、原則として占有によって持ち主を判定します。
したがって、あなたの財産であっても彼氏が占有している場合(彼氏の家にある場合)には、差押えの対象となる可能性があるからです。
この場合には破産管財人に対して「取戻権」を行使することで、差し押さえられた財産を取り戻すことができます(破産法62条)。
彼氏に債務整理をすぐに勧めた方がよい理由
返済に行き詰まった借金を「自力で解決する」のは簡単ではありません。
「債務整理は体裁が悪い」、「ブラックリスト入りしてカードがなくなる(借金できなくなる)のは嫌だ」、「士債務整理すると借金の問題を抱えていることを誰かに知られてしまう」といった理由で債務整理に躊躇してしまう人は少なくありません。
しかし、毎月の収入が足りない状況で、債務整理を後回しにすれば、借金はより深刻化することの方が多いでしょう。
たとえば、次のような状況にあるときには、早急に債務整理に着手するよう彼氏に勧めるべきだと思われます。
・借金があるにもかかわらず「金遣いが荒い」
・今後収入が大幅に増加する見通しがない
・「お金を貸して欲しい」と頼まれたことがある
・すでに複数の金融機関からから借金がある
・借金の返済のために借金している
・すでに債権者から督促の電話があったり、郵便物が届いている
若い人であれば債務整理してもデメリットがほとんどない場合も
債務整理すれば、確かにブラックリスト入りなどのデメリットが生じます。
しかし、債務整理したからといって、必ず「他人に知られる」、「財産を失う」というデメリットが生じるわけではありません。
任意整理や個人再生で借金を解決できるのであれば、財産の処分は原則として不要です(自動車ローンのように担保権が設定されている財産は債権者に引き上げられます)。
自己破産したとしても、上で説明したように、一定の財産は手元に残すことができます。
結婚前の若い人であれば、財産を全く失うことなく自己破産できることもあります。
また、債務整理をしたことを他人に知られることは、実際にはかなり稀です。
たとえば、個人再生や自己破産した際に氏名などが掲載される「官報」はほとんどの人が見ていません。
任意整理であれば、官報掲載もないので、他人に知られるリスクはほとんどないといえるでしょう。
債務整理の費用は意外と安い
「債務整理したいけど債務整理にかかる費用を支払えない」と思っている人も少なくないと思います。
しかし、債務整理の費用は、一般の人が思っているよりも安いものです。
たとえば、債権者3社の借金であれば、10~15万円程度の費用で任意整理できる場合もあります(費用は弁護士・司法書士事務所により異なります)。
また、弁護士・司法書士費用は分割で支払うことも可能です。
債務整理を依頼すれば、借金の返済が一時的にストップとなるので、返済と弁護士・司法書士費用の支払いが二重になることもありません。
本当に低収入で首が回らないという人であれば、法テラスに債務整理の費用を立て替えてもらえる場合もあります。
まとめ
他人であるあなたから見て心配する状況にあるときには、彼氏の借金はかなり深刻な状況にある可能性が高いといえます。
特に結婚を考えている相手であるときには、将来のためにも「できるだけ早く借金問題を解決する」ことが大切です。
債務整理を成功させるためには、周囲の人の支えが特に重要です。
彼氏が債務整理のことを正しく知らないために解決に踏み切れないことも考えられます。
多くの弁護士・司法書士事務所では借金・債務整理の無料相談を行っています。
まずは、相談を受けて「自分の借金がいくらまで減る」のか計算してもらうだけでも、状況を変えるきっかけになると思います。
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でしが、借金問題は後回しにすればするだけ事態は悪化するだけで良い事は一つもありません。
借金問題は、専門家に相談することで思っているよりも簡単に問題を解決し新しい生活を送ることができます。
実際に、借金問題を解決した多くの人が『こんなに簡単に終わるならもっと早く相談しておけば良かった』と言います。
取り返しのつかなくなる前に、1日も早く相談を行い借金に苦しまない新しい生活をスタートしましょう。
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